法隆寺は聖徳太子と共にあり
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法隆寺のお釈迦様は聖徳太子がモデル!生存中に造形が開始
法隆寺は聖徳太子と共にあり(6)「和」を広げる法隆寺
大野玄妙(法隆寺第129世住職、聖徳宗第6代管長)
法隆寺にある仏像は、実は聖徳太子をモデルにしている。しかもそれは、彼がまだ生きている間につくられ始めた。法隆寺管長・大野玄妙氏は、こうした仏像作成法が中国に由来するものであると述べる。仏教には、教えが表面的に伝わったことに加え、その裏側で日本に持ち込まれた部分もある。法隆寺はまさにそれを体現している。(全8話中第6話)
時間:9分51秒
収録日:2016年3月9日
追加日:2016年11月5日
≪全文≫

●法隆寺にある仏像のルーツは中国にあった


 先ほど言いましたように、(法隆寺では)聖徳太子さんの姿に合わせて像をつくっています。だから、聖徳太子さん自身をお祀りしていることになります。これはもう分かりますね。では、そういうものの考え方のルーツが一体どこにあるのかということを考えなければならない。

 一つには、中国の雲崗の石窟、大同という所です。これは北魏という国にありました。北魏という国は、太武帝(たいぶてい)の時に仏教の大弾圧を行っています。その後、孫の文成帝(ぶんせいてい)が復仏させました。仏教を復興させたのです。その孫が復仏した理由は、お父さん(拓跋晃(たくばつこう)という人です)が一生懸命に、父である太武帝の所業を治めたり、あるいは仏教徒として廃仏で苦しめられている人たちをそっと裏から助けたりして、何とか父の所業をやめさせようと思った人だったからです。残念ながらこのお父さんは、太武帝が亡くなるのとほぼ同じ頃に病死してしまいます。そしてその時に、自分の子どもである文成帝に遺言を残し、おじいさんのやったことの滅罪をし、仏教の復仏をしてほしいという依頼をします。これを受けて、文成帝はそれを実行しました。

 その時に平城(当時の北魏の都です)に五級の大寺を建てます。この五級の大寺とは、いわゆる五重塔のことです。中国では、五「重」と言わずに「級」と言います。級というのは階と同じです。だから5段の塔ですね。七級といったら7段の塔ということになります。イメージとしてはお分かりいただけると思います。日本の塔は、雨が多いために屋根も広いですが、向こうはそうでもないので、「段」と読まれていてもおかしくはないのです。

 文成帝は、先の五帝の供養、そしておじいさんの滅罪のために、五つの丈六の釈迦像をつくったと言われています。五帝のため、最初は道武帝、2番目が明元帝、3番目が太武帝、4番目に自分の父親、後に贈り名をされて、拓跋晃は景穆帝です。そして5番目は自分、文成帝なのです。要するに生きている間から、皇帝が自分自身のお釈迦さんをつくったというわけですね。こういう物の考え方が、当時の中国にはありました。


●表側で伝わる歴史、裏側で伝わる歴史


 またその少し後になりますが、北周の時代には武帝という人が廃仏をします。それを復仏をしたのが、隋の文帝です。北周を倒して隋を興...

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