法隆寺は聖徳太子と共にあり
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「和を以て貴し」とした聖徳太子の理想的社会像とは何か
法隆寺は聖徳太子と共にあり(3)「みんな一緒に」の精神
大野玄妙(法隆寺第129世住職、聖徳宗第6代管長)
どちらか一方ではなく、仏も神も両方大事にする。一神教の信者からすれば信じ難いこの感覚こそ、多様性と調和を重んじる日本独特の宗教性を示していた。法隆寺管長・大野玄妙氏は、多様性も含めて「和」を強調した聖徳太子の発想は、ある仏教思想と強いつながりを持っていると語る。それは何か。(全8話中第3話)
時間:11分17秒
収録日:2016年3月9日
追加日:2016年10月15日
≪全文≫

●日本人の不思議な宗教感覚


 先ほどから言っているように、日本人は非常に多様性に富んだ民族ですから、仏も神もどちらも非常に大切にします。これが、日本人の一つの特徴です。外国の方から見たら、日本人は実に不思議な民族です。本当に不思議な民族なのです。外国の方は、一神教である場合がほとんどでしょう。そういう方々にとって、自分が信仰している仏様や神様以外に、別の神様を信仰するということは、あり得ないことです。

 ところが、日本人はどうでしょうか。全く平気です。複数の神様でも複数の仏様でも皆、受け入れます。12月になったらクリスマスで、キリスト教の神様を受け入れます。1月には除夜の鐘です。そしてその続きで、お宮参りして手をたたいて帰ってきます。

 宗教学者の山折哲雄先生がお話ししていましたが、現在のイスラエルにキリスト教とユダヤ教とイスラム教の聖地があります。それぞれの信者たちは、あの地へ巡礼の旅をします。もちろんそれぞれの宗を信仰している人たちは、絶対に自分が信仰している神様しか拝みません。しかし、日本人が行ったらどうするでしょうか。「せっかく来たんやから」と、全てに行くでしょう。絶対行きます。そういう国民性があるのです。

 外国の方から見ると、それは非常に不思議であるし、また非常に宗教感覚が駄目だというように見えるはずです。しかし実は、それこそが日本人の宗教感覚なのです。それが、日本の宗教性です。そういうことが言えるかと思います。


●神々も祀り、仏も拝む


 そういう形で私たちは、仏教を受け入れました。しかし、当然のようにそのまま神様の道も執り行われてきています。その決定的な証拠が、資料の23番です。

 これは、法隆寺が建立された西暦607年のものです。この年に、推古天皇が詔を発しておられます。その詔の内容が、ここに書かれています。

 「推古十五年の春、二月の庚辰の朔(中略)戊子(九日)、詔してのたまう。朕聞く、曩者、我が皇祖の天皇等、世を宰めたまうことを、天に跼り地に蹐みて、敦く神祗を礼びたまう。周く山川を祠り、幽に乾坤に通す。是を以て、陰陽開け和ひて、造化共に調る。今朕が世に当たりて、そして、神祗を祭い祀ること、豈に怠ること有らんや。故、群臣、共に心を竭して、神祗を拜るべし」

 推古天皇は、仏教受容を宣言した人です。そうして、あちらこちらに既にお...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り
為末大
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹