法隆寺は聖徳太子と共にあり
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
聖徳太子は「皇太子」だったことを忘れてはならない
法隆寺は聖徳太子と共にあり(2)神と仏の二人三脚体制
大野玄妙(法隆寺第129世住職、聖徳宗第6代管長)
聖徳太子は仏教を日本に取り入れ、そして広めた。そう教えられてきた聖徳太子像に対し、法隆寺管長・大野玄妙氏は注意を促す。聖徳太子について考える上でまず重要なのは、彼が皇太子であることだ。すなわち彼本来の仕事は、日本古来の神々を祀ることだった。だとすれば、当時「仏」と「神」はいかなる関係にあったのか。(全8話中第2話)
時間:13分20秒
収録日:2016年3月9日
追加日:2016年10月8日
≪全文≫

●忘れてはいけない「皇太子・聖徳太子」


 前置きはこの辺にしましょう。さて、聖徳太子さんは仏教を取り入れられたということですが、皆さんの印象はどうでしょうか。聖徳太子さんという名前を聞いたときに、どういう人物なのか、いくつか項目を挙げていくと、ある人は政治家である、ある人は日本の文化の礎の人である、またある人は最初に仏教を研究した人であるなど、いろいろな言い方がされます。また、大工さんのような職人の間では、そういう職業や技術を伝えた神様として祀られています。このように聖徳太子には、非常にいろいろな角度から信仰され、また慕われているという面があります。

 ところが、その中でも一番多いのは、やはり仏教との関わりだろうと思います。しかしここで実は、一つ大きなことを見逃しています。何かといいますと、聖徳太子さんが皇太子だったということです。そのことは、絶対に忘れてはいけないことなのです。皇太子さんを含め、いわゆる皇室の方々の仕事とは何かということです。これが非常に重要なことです。


●伝来当初、仏と神は「同列の存在」だった


 この点は、皆さんに配った資料の1番に載っています。これは、百済の聖明王が日本に仏教を伝え、そして「仏教を受け入れなさい」ということを手紙に書いて送ってきた時のことです。この欽明天皇は、側近の人たちに「どうしようか」と相談をしました。この時、この問題に対して賛成をしたのが蘇我氏です。そして反対をしたのは、物部氏と中臣氏です。資料にあるのは、物部尾輿と中臣鎌子という二人の人物が話をした際の内容です。読んでみましょう。

 「我が国家の、天下に王とましますは、恒に天地社稷の百八十神を以って、春夏秋冬、祭拝りたまうことを事とす。方に今改めて蕃神(あたしかみ)を拝みたまわば、恐るらくは国神の怒を致したまわむ」

 ここではっきりと書かれています。我が国の王とまします、天下に王とまします者は何をするか。それは、天地、あるいは社稷、つまり天神さん、天の神様、国の神様といった百八十神(180にも及ぶ多くの神々)を、春夏秋冬、年がら年中、一年を通じてお祀りすること。これが仕事です。

 そしていま改めて、ここで蕃神(これはお隣の神様です)を拝みたまわば、お隣の神様を拝んでしまったら、この国の神様がお怒りになるだろう。物部氏と中臣氏は、こういう理由で反対...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り
為末大
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通