東大寺建立に込められた思い
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
菩薩の心が現代社会から薄れた一因は戦後の民主主義にある
東大寺建立に込められた思い(4)建立を支えた知識
北河原公敬(東大寺長老)
現代の日常生活で、他人に手を差し伸べることが減ったのは、困っている人と自分とが無関係だからだ。しかし東大寺の建立を呼び掛けた聖武天皇が目指すのは、他者を思いやる菩薩の精神を行き渡らせることだった。そのために聖武天皇が強調したこととは何だったか。東大寺長老・北河原公敬氏が「知識」について解説する。(全7話中第4話)
時間:15分54秒
収録日:2016年3月8日
追加日:2016年12月17日
≪全文≫

●菩薩の心が発揮されにくくなっている


 前回、日本も昔は皆そうだったという言い方をしましたが、例えば阪神淡路大震災、あるいは東日本大震災の時、大勢のボランティアの方々が現地に行きました。そして、まったく関係のない方々に対して手を差し伸べられて、皆さまに心寄り添わせて一生懸命(活動を)やられていました。まさにあれが菩薩なのです。

 いざというときには、そうやってと他者のために思いやり、慮り、慈しみの心を持ってよく手を差し伸べているのですが、最近の日本人は、以前と違って日常ではそういうことがあまりないと私は思います。

 これは、例えとして良いかどうかは分かりませんが、最近、物騒な事件がよく起こります。例えば、2階で殺人事件があって、その家の近所の人に聞くと、「いや、普段あまり顔を合わせていないので、誰が住んでいたのか知らない。挨拶もあまりしたことがない」、あるいは「隣で何かあったけれども、普段あまり顔を合わせてもいないし、話もしたことない」というコメントが結構出てきます。

 他にも、例えばお年寄りが孤独死していたという話をよく聞きます。お節介を焼く必要はないのですが、せめて普段から、ちょっとしたことでいいから、それこそ「こんにちは」とか「おはようございます」、あるいは「元気ですか」というぐらいのことでも十分なのです。そうやって、他者を慮るという心持ちが薄れているのではないかと、私は思います。

 だからといって、もちろんまったく(そういう気持ちが)ないわけではありません。先ほども言ったように大震災のときには皆、一生懸命に他者に対して手を差し伸べているのです。もともとはあるにもかかわらず、普段はそれがあまり発揮されていないのです。


●自分に何も災いが降りかからないから、手を差し伸べない


 実は私、ロータリークラブに入っているものですから、少し前までこの地区のガバナーをしていました。この辺りは2650地区といいまして、奈良、京都、滋賀、福井の4県が一つの地区です。そのガバナーをしている時のことです。ガバナーは、各クラブを公式訪問しないといけないものですから、車に乗せていただいて、あるクラブへ行く途中のことです。たまたま信号が赤になって、(車が)止まったのです。そうすると、対向車線の車ももちろん止まります。

 その時、対向車線の歩道寄り側を、年配の女性が自...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(1)曖昧になった日本人の「自然」
小林秀雄から福田和也まで、日本の文芸批評史を俯瞰する
浜崎洋介
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(1)空海と最澄
空海と最澄の関係に大きな影響を与えた「密教」の位置づけ
賴住光子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
ウェルビーイングを高めるDE&I(4)人的資本経営の核となるDE&I:後編
日本は不寛容な国か?完璧主義の弊害とDE&Iを進める必要性
青島未佳
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(2)ノイズと半身社会の処方箋
ノイズを楽しむ――半身社会の「読書と教養のすすめ」
三宅香帆
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将