東大寺建立に込められた思い
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「無財の七施=七つの施し」で身につく菩薩の精神とは?
東大寺建立に込められた思い(7)「無財の七施」
北河原公敬(東大寺長老)
聖武天皇が目指した菩薩は、現代でも可能なものだ。東大寺長老・北河原公敬氏はそう語る。そのために必要なのは、見返りなど期待せず、他者に手を差し伸べることだ。それは毎日の、ほんの少しの心掛けでよい。東大寺建立の思いを語ってきた北河原氏が、現代にも通じる「施し」の極意を伝授する。(全7話中第7話)
時間:14分15秒
収録日:2016年3月8日
追加日:2017年1月7日
≪全文≫

●手の差し伸べるときに大切なのは、「見返りを求めない」ことだ


 われわれも皆、菩薩になれるのです。誰でもなれるのです。それは、心掛け次第です。東北の震災から5年たちましたが、あの時に、あれだけの大勢の人々が菩薩の心を発揮され、ボランティアという形で活動されました。自分とは本当は関係ないけれども、被害に遭った人たちに手を差し伸べられて活動をされました。あの思い、あの心は、素晴らしいことだと思います。そのことを、日頃の行いにも活用していただく。

 そのことで皆さまにお勧めするのは、簡単なことです。菩薩とは手を差し伸べるものだと言いました。あるいは、相手を思いやることです。一方で「施し」という字がありますが、あれは布施行、布施なのです。

 布施とは、町寺さんだったら「お布施」という言葉もあり、もちろん金品のことも言いますが、元来は施しのことです。つまり施すとは、手を差し伸べるということなのです。相手の立場に立って、何かをすることです。

 施しは、決して見返りを求めるものではありません。見返りを期待してするものではないのです。対価を期待してするものではないのです。施しは、捨て去ることと同じです。「これをしてやるから、何かをくれよ」とか「お前が何かしろよ」というものではないのですね。あくまでも布施、施しは、対価を期待するものではないのです。

 ボランティア活動もそうですね。見返りを得るためにボランティアに行くわけではありません。助けに行く、手助けするのも、菩薩であり、布施行なのです。この布施行を普段から心掛けるということが大切です。そうすれば、菩薩の心、菩薩の精神、そういうものも、自ずと身に付くといわれます。


●「無財の七施」のススメ


 そのために、よく勧められることがあります。それが「無財の七施」といわれるものです。「七つの施し」ともいいますが、無財とある通り、お金は要りません。心掛けでできる施しです。それを日頃から、私たちが心掛けていれば、自然と菩薩の気持ち、心、菩薩の道、それが養われるといわれます。眼施、和顔施、言辞施、身施、心施、床座施、房舎施の七つです。これを普段から実践していれば、菩薩の心が養われるのです。

 最初は、眼施(げんせ)。眼です。もうお分かりの通りだと思いますが、人と接したとき、相手を睨みつけていたのでは、相手だって睨み返して...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
耳障りな言葉がポイント!?新しい概念を生み出すチャンス
中島隆博
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
医療から考える国家安全保障上の脅威(5)日本の医療の問題点と提言
なぜ日本の医療はテロに対応できないのか?三つの理由
山口芳裕
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
柿埜真吾