東大寺建立に込められた思い
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
東大寺建立に協力した人数は、当時の日本人の約半数!
東大寺建立に込められた思い(6)大国家プロジェクト
北河原公敬(東大寺長老)
東大寺の建立には、なんと当時の日本人の約半数が関わっていた。これほどの一大プロジェクトはそうあるものではない。東大寺長老・北河原公敬氏の解説が物語るように、東大寺はまさに国力を結集して完成したものだった。多くの人が自ら関わり、そして他者と共に幸福を願う。これこそが、聖武天皇が込めた思いだった。(全7話中第6話)
時間:8分25秒
収録日:2016年3月8日
追加日:2016年12月31日
≪全文≫

●鎌倉時代以降も「一枝の草」の精神は維持された


 東大寺は鎌倉時代に復興されたのに、戦国時代になってまた灰燼に帰すのです。ご承知のように、戦国時代には幾つもの大名があちこちにいましたが、その戦乱に巻き込まれます。中でも、三好・松永の乱で戦に巻き込まれ、東大寺は焼けてしまうのです。

 すると、江戸時代に公慶上人という方が復興に携わります。資料に書いてあるように、この方も「一針一草を喜捨するは」という言い方をします。やはりこれも、微々たるものであっても良いということです。そういう表現の仕方をしました。

 もちろん東大寺には、有力なところからの勧進なり喜捨なりもありますが、こうやって大勢の人たちの知識や勧進を集めて大仏さまを造られ、そして復興もされてきたのです。皆さまの中でご存知の方がいるか分かりませんが、近年でも、昭和大修理といって、大仏殿の屋根瓦の葺き替え工事をやりました。完成したのは、昭和55年です。その時も、内外を問わず大勢の方々に、ご協力をいただいています。それもやはり、大勢の方々との力を結集してやり遂げるという、聖武天皇からの精神を引き継いできたからなのです。


●当時の日本人の約半数が、東大寺建立に協力をした


 ちなみに、聖武天皇が大仏さまを造られた時の知識の数、すなわち何人が携わったかが、東大寺の上院の「修中過去帳」に載っています。これは、修二会、お水取りの行法でも、毎年読み上げます。ただし、この修二会の行法中で過去帳が読み上げられるのは、5日と12日です。聖武天皇から始まり、そこからずっときて現代、平成まで書き込まれています。それを読み上げるのですね。

 もちろん、それら全てを読んでいたのでは数時間では済みませんから、かなり早く読んでいく部分もありますし、箇所によっては飛ばし読みにもなります。そうでなかったら、とてもではないですが時間内に収まりません。非常に分厚いものですから。ただし飛ばし読みといっても、「これは」という人は必ず読まないといけないことになっています。それまで飛ばしてしまうわけにはいきません。

 ここにも書いてありますように、その中に、材木の協力者、それから人夫やお金といったことが書いてあります。全部で約260万人です。奈良時代で、それだけの「知識」が協力したのです。260万人とは、当時の人口の約半数です。これを聞いたある国会議...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(6)世界の英雄神話とその構造分析
知恵か腕力か?…オデュッセウス、スサノオ、アルジュナなど世界の英雄たちの栄光と悲劇
松村一男
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦