東洋思想の主張~見えないものを見る
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
本来本法性、天然自性身…仏性と悟りを道元はどう考えたか
東洋思想の主張~見えないものを見る(3)全ては自分の内にある
田口佳史(東洋思想研究家)
仏教では、本来人間は皆、仏であり悟りの要素を持っていると説く。その仏性、悟りを得るためにどうするべきかを、道元、千利休など多くの先人が思索し続けた。仕事にどのような意味を見出すのか、悟りを得るとはどういうことなのか。今に生きる仏教の教えを老荘思想研究者・田口佳史氏が解説する。
時間:15分50秒
収録日:2014年11月12日
追加日:2015年7月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●仏教が説く「本来本法性、天然自性身」

 
 前回の「見えないものを見る」に続く次のテーマで、「全ては自分の内にある」ということに入らせていただきたいと思うのですが、これをご説明するときに、一番いい言葉がまずあります。

 これは、仏教というものが説いている人間のあり方というか、人間とはこういうものだと説いている言葉で、「本来本法性(ホンライホンホウジョウ)、天然自性身(テンネンジショウシン)」ということです。これは何を言っているのかというと、人間は本来、生まれながらにして本法性、つまり仏性(ブッショウ、ホトケセイ)を持っているものなのだ、もっと言ってしまえば、「衆生皆仏なり」という言葉があるように、人間は皆、もう仏なのだということです。さらに「天然自性身」というのは、もう生まれながらにして悟りということをしっかり持っているものであると説いているのです。


●道元が抱いた疑問


 本来、人間はもう仏であり、悟りの要素も完全に持っているものだということを、仏教は説いているのです。そのぐらい人間は崇高なものであるということを説いているのですが、この話に非常に疑問を持った青年僧がいます。誰あろう、道元です。

 道元は、この疑問に答えを見出すために、日本全国の名僧と言われる高僧の所に訪ね歩くのですが、なかなかいい答えが出ません。そこで、中国へ渡っていくのです。結果、彼は日本へ帰ってくるにあたり、どういう結論を得たかということですが、歴史というものがつくづくありがたいものだと思います。例えば、一緒に修行しないと分からないようなものであれば、私もこうたやすく結論を言うことはできないのですが、要するに、私が生まれて得た僥倖(ぎょうこう)と言いますか、道元が見出した答えが何年も後に分かっているのです。こういうのはありがたいものですね。


●道元がたどり着いた答え-修行の重要性


 さて、この道元はどういう答えを得たのかと言うと、「いまだ修せざるには現れず、証せざるには得ることなし」と言うのです。「仏性は本来人間が持っているもので、皆、生まれながらにして仏でもある、しかし、修行をしなければそれは現れないものだ」と言っているのです。さらに、もう悟りの要素は持っているけれど、はっきり「ああ、悟ったな」ということがなければ、その悟りを得るということはないということなのです。です...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
徳川家康と貞観政要(1)徳川家康が太宗から学んだ治世の要諦
『貞観政要』とはいかなる書か?家康は何を学んだのか?
田口佳史
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将