クーデターの条件~台湾を事例に考える
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
歴史のif…2.26事件はなぜ成功しなかったのか
クーデターの条件~台湾を事例に考える(5)世直しクーデターとその成功条件
上杉勇司(早稲田大学国際教養学部・国際コミュニケーション研究科教授/沖縄平和協力センター副理事長)
クーデターには、腐敗した政治を正常化するために行われる「世直しクーデター」の側面もある。そうしたクーデターは、日本では江戸時代の「大塩平八郎の乱」が該当するが、台湾においては困難ではないか。それはなぜか。今回は世直しクーデターとして成功させるための条件と、昭和に起こった2.26事件などを参考に一手で歴史が大きく変わりかねないその判断、決断の是非について解説する。(全6話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:13分08秒
収録日:2025年7月23日
追加日:2025年10月17日
≪全文≫

●「世直し」としてのクーデター


 最後に皆さんに問題提起したいのは、この写真にもあるのですけれど、タイは軍が、自分たちがタイの国というのを守るのだというのを自認していて、政治家が汚職なり、腐敗なり、道を踏み外したときに自分たちが介入して、その悪い奴らを懲らしめる、正義の味方のつもりで彼らはいるわけです。

 実際に、本当に欲がなくて、介入して、軍政を敷いて、「両者、撃ち方やめ」とやって、すぐ選挙をして、選挙結果に従って権力を戻すということもやれますけれど、それをしないときもあります。このままだと政治家がまた戦いを続ける、混乱がまた来ると考えたときに、将軍はそのまま権力者としてのさばって、10年ぐらい権力の座にあったこともあるので、必ずしも常に世直しになるとは限らないのですけれど、世直しクーデターの可能性はタイでもありました。

 それから、うまくいっていれば、エジプトでもムバラク独裁政権を倒しました。スーダンでもバシール独裁政権を倒しました。そのときは軍と民衆が共同して倒しました。民衆が暴動し、その暴動に軍が乗っかることで倒しました。そのときの軍の指導者がいい指導者であれば、民主化が進むのですけれど、そこで権力に溺れてしまって、権力を手放したくなくなると、内戦になったり、軍政が続いたりするという両刃の剣ではあります。

 私としては世直しクーデターという可能性はあって、住民が独裁や権威主義にあえいでいるときに、民衆が立ったならば、民衆を弾圧するのではなくて、民衆の側に立って権力者、独裁者を排除するというクーデターも過去に何回かあったので、クーデターは完全な悪ではなくて、正義の味方になり、民主主義を進める可能性もまったくないわけではないと主張したいのですが、そういうことに関して皆さんのご意見もお聞きできればなと思います。


●台湾が「世直しクーデター」を実現することの困難


―― 世直しクーデターは非常に印象的な言葉であります。それこそ今の日本のように政治が乱れてくると、「もういい加減にしろ」「誰かあいつを追い出せ」というような意見というのをお持ちの方もいらっしゃるかもしれないのですけれど、そういう気持ちは日本の場合、まだまだレベルとしてはそんなに高まっていないとは思います。本当に権威主義、独裁国家の場合には、そうで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
不便益システムデザインの魅力と可能性(2)不便がもたらす4つの益
写ルンです、おやつ300円まで…不便がもたらす益の数々
川上浩司