ショパンの音楽とポーランド
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芸術と文化
江崎昌子(洗足学園音楽大学・大学院教授/日本ショパン協会理事)
ピアニスト江崎昌子氏が、ピアノ演奏を交えつつ「ショパンの音楽とポーランド」を紹介する連続シリーズ。第1話では、すべてのピアニストにとって「特別な作曲家」と言われる39年のショパンの生涯を駆け足で紹介する。1810年に生まれ、早くから音楽の天才の名をほしいままにしたショパンは、故郷ポーランドを喪失した作曲家でもあった。彼の人生、そして彼の芸術に大きな影響を与えた恋愛について概観する。(全9話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分43秒
収録日:2022年10月13日
追加日:2023年3月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●ピアニストにとってのショパンとは?


―― 皆さま、こんにちは。本日は江崎昌子先生に「ショパンの音楽とポーランド」というテーマでお話をいただきたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

江崎 よろしくお願いします。

―― 江崎先生は桐朋学園大学をご卒業後に、ポーランドワルシャワの(フレデリック・)ショパン(音楽)アカデミーの研究科を修了されているということで、ポーランドに留学されています。これまでにかなり数多くショパンを弾いてこられ、CDも、このように数多く出されています。本当に日本におけるショパンの第一人者といえる先生かと思います。

 本日はショパンの生涯や、ポーランドの歴史などについてもお話をうかがっていきたいと思います。まず、せっかくピアノをご用意いただいた部屋ですので、「これがショパン」という感じの1曲、さわり部分を演奏いただければと思いますが、よろしくお願いできますでしょうか。

江崎 はい。

 (♪: ショパン作曲 幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66)

―― ありがとうございます。

江崎 ありがとうございます。

―― ただ今の曲が「幻想即興曲 作品66 」ということでございますね。江崎さんはこれまでも非常に数多くショパンを弾いていらっしゃったと思うのですが、江崎先生にとってショパンという作曲家はどういうイメージなのでしょうか。

江崎 ピアニストにとっては、生涯のうちに勉強しないことがない、弾かないことが「避けられない」作曲家だと思います。たとえば音楽を勉強し始めた頃から、ショパンのエチュード(練習曲) に触れますし、音大やコンクールなどでは絶対弾かなければいけない作品でもあります。

 あとは、ピアノのことを知り尽くした作曲家なので、ピアノの技術だったりピアノの音色などを最大限に引き出す、ピアノの楽器のよさを引き出す作曲家として本当に貴重で、どんなピアニストにとっても「特別な作曲家」ではないかと思います 。

 本当にたくさんの作品、ピアノでしか演奏できない作品を書いてくれましたので、 私も勉強し始めてから何十年経ちますが、自分が歳をとればとるほどまた全然違う、いくら弾いても、発見があるような作曲家です。


●ショパンの失われた故郷の風景


―― はい。それから、もう一つの(ショパンの)特徴として、やはりポーランド人であるという...

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