ショパンの音楽とポーランド
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ノクターン…ショパンは演奏会では即興的にアレンジしていた
ショパンの音楽とポーランド(5)ショパンとノクターン
江崎昌子(洗足学園音楽大学・大学院教授/日本ショパン協会理事)
「子守歌」に続いて、有名なノクターン(ノクターン第2番 作品9-2)も聴いていく。ショパンのノクターンには、とても歌謡的な側面がある。普通の楽譜でもそうだが、実はショパンは自分自身がコンサートなどで演奏する際には、同じメロディーを2度と弾かないくらいに、さまざまな装飾を即興的に加えていたという。今回は、そのような装飾が書き込まれている楽譜を演奏する。現代のジャズの演奏にも通じるような音楽の楽しみ方が、そこにはあった。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分11秒
収録日:2022年10月13日
追加日:2023年4月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●「人間的な歌」であることがノクターン(夜想曲)の魅力


―― ノクターンと民謡の違いというのは、どういうイメージですか。

江崎 はい。ノクターンというのは、もともとフィールドという作曲家が音楽のなかでつくりました。左手は分散和音をゆったりと演奏し、右手が夜(を暗示する)。「ノクターン」は日本語ではとても素敵に「夜に想う曲」と書きますね。

―― 「夜想曲」という。

江崎 そう、本当にとても素敵で、ぴったりの「夜想曲」なのですが、セレナーデ風の音楽になっているわけです。

 民謡とはもしかしたらちょっと違うかもしれないですが、民謡には必ず歌がある。民謡=歌ですけれども、季節の歌だったり、行事であったり、いろいろと民衆の一番人間的な歌が込められているものがあります。

 そういう意味ではとても歌謡的なものがノクターンのスタイルです。そういう意味では、ショパンの場合は、民謡から来るものがあったかもしれないですね。

―― なるほど。今回、弾いていただけるのは「ノクターン第2番 作品9-2」ということですね。

江崎 はい。これは皆さんが普段聴かれるのとは違うスタイルで、ポーランドの「ナショナル・エディション」というものです。そこには2通り楽譜がありまして、もともと皆さんがよく目にする楽譜や耳にするもの、そうではなくショパンが書き残したもの全部を載せたものがあるのです。

 ショパンは、同じメロディーを2回繰り返すときには少しずつ変えるようにしていました。実際の演奏でも楽譜とは違い、とても即興的に変えてみたりするようなことがあったのです。それは、別にノクターンに限らず、すべての作品の中でそれが現れるわけですが、今日はそのバリエーションというか、いろいろ変わっているもののバージョンで、弾いてみたいと思います。

―― はい、ぜひ、よろしくお願いいたします。

江崎 はい。

 (♪:ショパン作曲 ノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2)

―― ありがとうございます。やはり今お話しいただいたように非常に装飾的なかたちで、次々に発展していく感じもありますね。

江崎 そうですね。こんなふうにショパンは、レッスンのときに「こんなふうにもできるよ」というふうに、もともとの楽譜の上にちょこちょこっと書いたりしていたのです。なので、この楽譜はパデレフスキなどがこういうふうに弾いて...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
『源氏物語』ともののあはれ(1)雅な『源氏物語』の再発見
『源氏物語』の謎…なぜ藤壺とのスキャンダルが話のコアに?
板東洋介
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
ピアノの歴史は江戸時代に始まった
野本由紀夫
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
中世ヨーロッパの基礎的な学問「7自由学科」の一つが音楽
樋口隆一
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将