ショパンの音楽とポーランド
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ポロネーズとは?…ショパンが誇り高い音楽に込めた思い
ショパンの音楽とポーランド(6)ショパンとポロネーズ
芸術と文化
江崎昌子(洗足学園音楽大学・大学院教授/日本ショパン協会理事)
ピアノ演奏と講義でショパンを追う連続シリーズ第6話では、「ショパンとポロネーズ」に焦点を当てる。貴族の行進から始まったといわれるポロネーズは、宮廷舞踏として発展したが、ショパンはその誇り高きポロネーズを用いて「ポーランドの栄光」を描いた。ここではバッハ作曲の「ポロネーズ」を聴いてポロネーズの基本を知り、さらにピアニストとして名声を集め、ショパンの楽譜の校訂も行ない、後にはポーランドの首相まで務めたパデレフスキが作曲した華々しいポロネーズも併せて鑑賞する。(全9話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分53秒
収録日:2022年10月13日
追加日:2023年4月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●ポーランド貴族の歩く踊り「ポロネーズ」


―― 続いては「ショパンとポロネーズ」というテーマでお話と演奏をいただければと思います。「ポロネーズ」というのもショパンの曲ではよく聞くフレーズですが、そもそもポロネーズとはどういう意味でしょうか。

江崎 はい、ポロネーズは「ポーランドの踊り」という意味があります。マズルカが、「農民の、地方の踊り」だとすると、ポロネーズというのは、どちらかというと「貴族の踊り」です。宮殿で踊られるような、ゆったりとした行進曲のような雰囲気で、歩く踊りというか、くるくる回る踊りではなく、歩く、歩む踊りという感じのものです。

―― これは「ポーランド風の」ということですから、当然「ほかの国の人から見て」という視点もあるのでしょうけれども、最初にご紹介いただきますのは、バッハの「フランス組曲第6番」のなかから「ポロネーズ」ということですが、これはバッハが「ポーランド風に」ということで書いたというということですね。

江崎 そうです。「フランス組曲」には、ジーグ、サラバンド、アルマンド、クーラントとか、いろいろな国の踊りが入っています。その「フランス組曲第6番」のなかに、この「ポロネーズ」というのがあって、ゆったりとして、エレガントで、ちょっと歩くような雰囲気の音楽であることが分かるのが、このポロネーズです。

―― はい。では、まず早速それを聴いてみたいと思います。

 (♪:J・S・バッハ作曲 フランス組曲第6番ホ長調よりポロネーズ BWV817 )

―― これは当然バッハの曲なので、ショパンのポロネーズをイメージして聴くと、「あれ?」という感じにはなりますけれど。

江崎 「あれ?」という(笑)、そうですね。


●足運びの実践でわかるポロネーズの基本的リズム


江崎 このポロネーズという踊りは、ほとんど体を動かさないものです。それがどういうものか、ぜひご一緒に、ちょっと歩いていただけますか。

―― いきなりで(笑)。

江崎 いきなり(笑)。ポロネーズは、たとえば催し物の最初などに入場する場面とか、そういうところ。あるいはオープニングとか、そういう雰囲気、「始まり」という雰囲気にとても、ぴったりなのです。たとえばワルツであれば、女性と男性がすごく体をくっつけ、胸と胸をくっつけて一緒に回る踊りなのですが、ポロネーズでは男女が向き合うことは...

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