ショパンの音楽とポーランド
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マズルカとは何か?ポーランド民族舞踊とショパンの秘密
ショパンの音楽とポーランド(2)マズルカの原点を探る
江崎昌子(洗足学園音楽大学・大学院教授/日本ショパン協会理事)
ピアノ演奏と講義でショパンを追う連続シリーズ第2話では、ショパンが愛した「マズルカ」という曲に迫る。そもそもマズルカは、ポーランドの民族舞踊である。もともとマズルカには三つの踊りがある。「マズル」「クヤヴィヤック」「オベレク」であり、それぞれテンポもキャラクターも違う。それらがどのようなものか、実際に演奏して紹介していく。(全9話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分43秒
収録日:2022年10月13日
追加日:2023年3月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●そもそも「マズルカ」とはどんな意味か

 
―― それでは第2話といたしまして「ショパンとマズルカ」というテーマでお話をうかがいたいと思います。

 「マズルカ」と名付けられた曲がショパンにはたくさんありますが、ほかではあまり聞かない気もします。そもそもマズルカというのはどういうものなのですか。

江崎 はい、マズルカは民族舞踊になります。もともとはポーランドでも農村部、ショパンの生まれたマゾフシェ地方のようなところで盛んでした。そこだけではなく、ポーランド中のいろいろな地方で親しまれてきたのです。日本にも、地方地方でいろいろな踊りがありますが、それと同じようなものです。

 農民の踊りといったらいいのでしょうか。華やかな民族衣装を着た三つ編みの女の子と、ブーツを履いた男性がペアになって踊るというものですが、もとは農家の人たちが踊っていたのが、だんだん貴族的なものになっていきます。もともとは、弦楽器などにしても本当に素朴な楽器を用いて、村の人たちが踊るというものです。

―― 今回、江崎先生に音源をご用意いただいていますので、少しその雰囲気を聴いてみたいと思います。

江崎 はい。当時の楽器を使っているものです。

―― 当時の楽器ですね。ちょっと聴いてみましょう。

 (♪:『Zrodla muzyki Chopina』〈Narodowy Instytut Fryderyka Chopina〉の付属CDより引用)

―― 非常に素朴でもありますし、やはり東ヨーロッパっぽいのでしょうか。場合によると、トルコ方面の雰囲気もなんとなく感じるような……。

江崎 そうかもしれません。とてもスラブな音楽かもしれないですね。


●マズルカを構成する「マズル」「クヤヴィヤック」「オベレク」


―― いわゆるショパンのマズルカとはずいぶん違うな、と。でも、これがもともとの…。

江崎 そうです。15歳ぐらいの頃から夏休みをシャファルニアという田舎町で過ごして、こういう踊りを見て一緒に踊って、ショパンは感激するのですが、その要素をショパンは自分なりに(アレンジしていきます)。

 もともとマズルカという名前には三つの踊りがあります。「マズル」「クヤヴィヤック」「オベレク」 というそれぞれテンポも違い、キャラクターも違うものが含まれます。大きく三つに分かれたものを、ショパンは全部一つのなかに取り込んで、まるで自分の音楽用語のように、この...

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