『古今和歌集』仮名序を読む
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
やまとうたは人の心を種として…「託す」表現の神秘的な力
第2話へ進む
『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」
渡部泰明(東京大学名誉教授/国文学研究資料館館長)
「やまとうたは、ひとのこころをたねとして」と始まる『古今和歌集』の「仮名序」は、歴史を超えて人の心に響く名文として名高い。著者は撰者の一人である紀貫之。ここでは、日本最初の勅撰和歌集である『古今和歌集』の編纂宣言ともいえる「仮名序」の内容を7つに分類し、日本文化の原点ともいえるその内容を読み解いていく。(全6話中第1話)
時間:5分18秒
収録日:2023年7月5日
追加日:2023年11月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本文化の原点となった『古今和歌集』仮名序


 皆さん、こんにちは。渡部泰明です。これから『古今和歌集』の仮名序についてお話しさせていただきます。

 『古今和歌集』はご存じの通り、日本最初の勅撰和歌集です。歌集としては『万葉集』がさらに古くありますけれども、天皇が命じて選ばせた、すなわち「勅撰」和歌集としては1番目に当たります。

 その『古今和歌集』には、「真名」すなわち漢文の序(真名序)と、「仮名」の序(仮名序)があります。そのうち仮名序は紀貫之が執筆しました。(彼は)『古今和歌集』の撰者の1人です。

 この真名序と仮名序については、真名序が先にできて、(その後に)仮名序ができたという説が一応有力になっています。これについては大変に論争があります。真名序(漢文の序)ということは、当然中国の文学、中国の影響を非常に強く受けている。それを踏まえて仮名序が成立したと、大まかに考えておきたいと思います。

 しかし、仮名序は日本の芸術論の原点となった。もっと大きくいえば、日本文化の原点となったといっていいかと思います。

 この仮名序を踏まえてたくさんの和歌の論(歌論)が生まれ、その歌論を軸にして能楽論や連歌論、俳諧の論のような、さまざまな芸術論が生まれたといっても過言ではありません。すなわち日本初の芸術論、日本文化の本当に最初の精華といっていいと思うのです。


●「和歌とは何か」を歴史と技法で伝えた貴重な短文


 その仮名序の内容の概略を、資料に示しておきました。大きく7つに分けて考えたいと思います。

 その1番目は、「和歌とは何か」。和歌とはどういうものなのか、どういう働きをするのかということを真正面から捉え、それを高らかに宣言した、非常に特色ある始まり方となっています。

 続いて「和歌の始まり」。和歌の起源といえばいいでしょうか。どのように和歌が始まってきたのかということを説明していきます。

 古代、神話的な時代から人の世となってからのお話が、まずあります。下照姫、素戔嗚尊(すさのをのみこと)、難波津の歌・安積(あさか)山の言葉などという語句が出てまいります。本当に神話的な時代を含んで、和歌の起源が語られているわけです。

 それから3番目として、「和歌...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
片山杜秀
『源氏物語』を味わう(1)『源氏物語』を読むための基礎知識
源氏物語の基礎知識…人物関係図でみる物語の流れと読み方
林望
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
おみくじと和歌の歴史(1)おみくじは詩歌を読む
おみくじは「吉凶」だけでなく「和歌や漢詩」を読むのが本当
平野多恵

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏