おみくじと和歌の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「和歌みくじ」で運をつかむ…現代に息づくおみくじの知恵
おみくじと和歌の歴史(5)現代の和歌みくじ
平野多恵(成蹊大学文学部日本文学科教授)
明治時代に入り、おみくじは大きな転換期を迎える。神仏分離令を契機に、江戸の歌占とは違う新しい和歌みくじが作られるようになるのである。その流れで現代に至るわけだが、注目したいのが明治神宮の和歌みくじだ。神道学研究の第一人者が監修したこのおみくじには吉凶がなく、明治天皇の御製と昭憲皇太后の御歌だけでできている。明治神宮のおみくじの意義とはいかなるものか。さらに、平野多恵先生ご自身が監修した「天祖神社歌占」と「千年和歌みくじ」、さらに歌占を現代的にアレンジした「歌占カード」を取り上げながら、現代の和歌みくじについて解説する。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分13秒
収録日:2023年11月10日
追加日:2024年1月17日
≪全文≫

●神仏分離令が契機――明治時代の和歌みくじ


―― 平野先生、今(第4話では)、江戸時代における歌占本(うたうらぼん)の流行について教えてくださったわけですけれども、明治維新以降、それがどのように変わっていくのでしょうか。

平野 実は先ほど(第4話で)ご紹介した漢詩みくじは、漢詩の「観音籤(かんのんせん)」とか「元三大師御籤(がんさんだいしみくじ)」というのですけれども、その漢詩みくじはすごく江戸時代に流行っていて、神社でも当時、今と違って神仏習合で、神社をお坊さんが治めていたりですとか、あるいは、お寺の中に神社があったりとか、そういった神仏習合は普通だったのです。

 それが明治維新になって、神仏分離ということで、神社は神社、お寺はお寺という神仏分離令が出されたのです。それによって、それまでは神社でも仏教の漢詩みくじを使っていたところはけっこう多かったみたいなのですけれども、神社は神社のおみくじを新しく作らなければいけないというような流れになってきて、それで、和歌みくじが江戸の歌占とは少し違う新しい和歌みくじとして作られるということになっていきました。

―― はい。先生にまたこちらも貴重なご本をお持ちいただいたのですけれども、こういうご本ですね。これは何のご本になるのですか。

平野 これは明治3年に作られた新しい和歌みくじの本なのです。『神籤五十占』といって、1番から50番まであるのですけれども、国学者が出雲大社にこもって、神様のお諭しの歌をいただいたと書かれています。

 これまでは神社でも仏籤、つまり漢詩みくじを使っていたのだけれども、明治のご維新があって、神様のおみくじを作らなければというので作られたものです。これは実は今も、例えば東京であれば王子神社ですとか、あるいは京都だったら吉田神社ですとか、いろいろなところでこのおみくじの歌が使われています。

―― 中を読みますと、ちょうど今開いたところが「第二十七号吉」とあったりしますけれども、最初に和歌が書いてあって、いろいろと、まさにおみくじのようなことが書いてあるのですね。

平野 そうですね。このお諭しの御歌は、ということで、どういう意味があるのかということが書いてあって、あとは、悦び事などの項目ごとです。訴訟とか、いろいろな項目が書いてあります。


●神道学研究の第一人者が監修した明治神宮の和歌みく...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(1)日本人の憧れ
聖徳太子と日本人…「実在しなかった」説の真相とは?
上野誠
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
クラシック音楽で世界史がわかる…宗教音楽からクラシックへ
片山杜秀
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
武器としての「カーボンニュートラル経営」(1)カーボンニュートラルと日本の実状
カーボンニュートラル競争のゴールはコストを下げ切ること
夫馬賢治
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建