ピアノでたどる西洋音楽史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
交響曲より「オペラ」を重視したモーツァルト
ピアノでたどる西洋音楽史(3)モーツァルトとオペラ
野本由紀夫(音楽学者/元玉川大学教授)
交響曲の父ハイドンが尊敬してやまなかったのは、親子ほど年下の天才モーツァルトだった。宮廷への「就活」に失敗したモーツァルトは金を生む卵としてオペラやピアノ協奏曲の楽譜を大切にし、交響曲は軽視したという。一体どういうわけなのか(全11話中第3話)。
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:12分05秒
収録日:2019年9月4日
追加日:2019年11月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●年下のモーツァルトを大尊敬したハイドン


――前回は、ハイドンが交響曲の父ということでしたけれども、ハイドンと来れば、やはりモーツァルトのお話も、ぜひおうかがいできればというところになりますが。

野本 そうですね。ハイドンは1732年生まれで、まだバッハが生きている頃の人でした。バッハが亡くなるのは1750年、18世紀のちょうど真ん中です。ハイドンはバッハに重なるように生きましたが、モーツァルトは1756年とバッハが亡くなってから生まれているので、もちろん会うことはできませんでした。

 そして、ハイドンとモーツァルトはほぼ親子ぐらい年齢が離れているんですが、大親友だったんですね。しかも年上のハイドンのほうがモーツァルトのことを大尊敬していたという関係で、非常に仲がよかった。モーツァルトは晩年フリーメイソンに入会しますけど、そのとき一緒に入ろうと誘って、ハイドンを入会させているぐらいです。お互いに信用できる人でなかったらそこまではいかないでしょうから、かなり仲がいいですよね。

――ハイドンが交響曲の父ということで100曲以上つくっているわけですが、モーツァルトの音楽にはどのような特色や特徴があるんでしょうか。

野本 実はモーツァルトは、ハイドンよりも後でありながら、交響曲にはそんなには関心はなかったんです。モーツァルトがもっぱら関心があったのはオペラ、歌劇のほうだったんですね。モーツァルトの人生は35年弱ぐらいなんですけれども、1732年生まれのハイドンは19世紀まで生きますので、完全にモーツァルトの人生を包含しています。人生やっぱり長生きしたほうがいいということではあるのですが。

 ただ、モーツァルトはデビューしたのが5歳のときなので、早く死んでしまったわりに音楽家生活は30年近くあります。そのなかでオペラは30曲ぐらいですから、非常に熱心にオペラを作曲していたわけです。交響曲については、モーツァルトは「娯楽音楽」というとらえ方をしていたようなんですね。


●父への手紙が語るモーツァルトの交響曲軽視


――一般のイメージだと、オペラと交響曲ではオペラのほうが「娯楽」で、交響曲は「やや、まじめ」な印象がありますけど、モーツァルトにとっては違うわけですね。

野本 モーツァルトにとっては違っていたんです。交響曲がまじめな音楽であるとしてしまったのは、ベートーヴェンの責任なんですけれ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」
『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
渡部泰明
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
山上憶良「沈痾自哀文」と東洋的死生観(1)因果応報と日本仏教の課題
山上憶良が「沈痾自哀文」で問いかけた因果応報の問題
上野誠
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
クラシック音楽で世界史がわかる…宗教音楽からクラシックへ
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ