【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
最澄が『山家学生式』で示した「一隅を照らす」の深い意味
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(3)『山家学生式』で示した修行の仕方
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
最澄が弟子たちに向けて書いた『山家学生式』では、厳しい修行の仕方が規定される。その奥には、仏教を極める僧こそが国宝であるとする考え方とともに、修行を重ねて他にも利益(りやく)を与えることが鎮護国家につながるという見方があった。研究者の間では、真筆から疑義も生まれているというが、それはどういうことか。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分58秒
収録日:2020年8月20日
追加日:2021年1月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本天台宗での修行の仕方を指定した『山家学生式』


―― 今回は『山家学生式(さんげがくしょうしき)』ですが、これはどういう文章になるのでしょうか。

賴住 『山家学生式』というのは、最澄が自分のお弟子さんたちに、「このように修行するのですよ」ということを規定した文章です。最澄は自分の教団として「日本天台宗」をつくり、その中で修行の仕方を指定しているわけです。

 前回お話ししたように、最澄は「小乗戒」を否定し、自分自身も受けていた小乗戒を捨ててしまいました。小乗戒は日常的な行動の規定ですので、それがなくなった代わりに、「こうするんですよ」ということを、きちんと言っておく必要があった。それが、この『山家学生式』に残されたということになります。

―― 前回の『願文』は若い頃ということですが、これはもうちょっと後ということになりますね。

賴住 そうですね。かなり年を取ってからの作になります。

―― 今回最初にご紹介するのが「八条式」ということですが、これは『山家学生式』の中ではどういう位置づけのところでしょうか。

賴住 読んでいただくと分かるように、自分のお弟子たちがどういうような修行をしなければいけないのか、具体的に指し示す部分になります。


●大乗戒の後は「一二年、山門を出でず」修行に励むべし


―― では、まず読ませていただきます。

「凡そ、此の宗、得業の者、得度の年、即ち大戒を受けしむ。大戒を受け竟(おわ)らば、一二年、山門を出でず、勤めて修学せしめん。」

「草庵を房と為し、竹葉を座と為し、生を軽んじ、法を重んじ、法をして久住せしめ。国家を守護せん。」

賴住 はい。まず、「得業の者、得度の年、即ち大戒を受けしむ」ということで、得度をしたら大乗戒を受けましょう、となっています。これは、第1話で言ったように小乗戒は受けないで、大乗戒だけ受ける「単受大乗戒」です。

 この大乗戒を受けるのに「戒壇」という設備があるのですが、それを「つくらせてくれ」と最澄はずっと朝廷に申し入れていました。結局、最澄が生きているうちには実現しなかったのですが、亡くなった直後に認められ、「大乗戒壇」というものが比叡山にできます。

 もちろん今でもあり、そこで大乗戒を受けて天台宗の僧侶として一人前になります。その後はどうするか...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠