インフレの行方…歴史から将来を予測する
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ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
高市政権誕生でインフレの行方はどうなるのか。「責任ある積極財政」を謳う高市政権だが、金融緩和路線を修正し、一部増税政策を取るなど、当初いわれているほどの積極財政ではないようだ。ポイントは悪性のインフレにつながらないようにすること。ではどうすればいいのか。将来のトルコ化を防止するためにも必要な方策について解説する。(全6話中第6話)
時間:4分35秒
収録日:2026年1月7日
追加日:2026年3月5日
≪全文≫

●「責任ある積極財政」を謳う高市政権の経済政策


 さて、こうした中、昨年(2025年)11月には高市政権が発足しました。高市政権の経済政策は、積極財政+金融緩和路線ともいわれますが、一般的にインフレ下での積極財政、金融緩和は物価高をさらに加速してしまう可能性があります。

 これに対し、高市政権は「責任ある積極財政」を謳っており、「政府純債務/GDP比」が拡大しないことを目標にしています。また、一部増税政策を取ったり、金融緩和路線を修正したりするなどもあり、当初いわれているほどの積極財政、金融緩和路線ではないように見えます。

 ただし、ポイントは財政懸念を払しょくすることではなく、悪性のインフレにつながらないようにすることだと思います。高市政権の運営に対して財政懸念に言及する報道やコメントが見られますが、ポイントは財政悪化ではなく、インフレだと思っています。


●インフレによる国民資産の目減りを防止するには


 なぜかといいますと、インフレになると結局は、政府債務は軽減され財政懸念は和らぎます。しかし、財政支出により大量に発行された現金通貨を持つ国民の資産はどんどん目減りしてしまうからです。

 先ほどの例で、戦時中、軍事関連の財政拡大で現金を手にした人々の資産が戦後のハイパーインフレで価値がなくなり、資産格差がある程度解消されたと申しましたが、今現在財政出動により現金を受け取った国民は多岐に渡っています。インフレにより政府の財政状況は改善しますが、その代わり多くの国民の資産が目減りすることになります。

 そうしたことを高市政権が求めているとは思えず、本来政権が求めている姿と実際の政策に捻じれが生じているように思います。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 これまで見たように、日本がすぐにトルコ化する懸念はありませんが、将来のトルコ化を防止するには国内投資の期待リターン上昇、構造的インフレ要因の解決が重要です。

 例えば、高市政権は産業政策として重要17分野を指定しており、成長戦略については積極的に推進しようとしています。これはとてもよい取り組みと思いますが、実際には労働人口の減少や現場での実務家不足など担い手不足の問題があると思います。

 供給不足の一因は労働人口の減少です。今後は人材、担い手、労働力...

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