インフレの行方…歴史から将来を予測する
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
年率80%を超えるインフレ!…日本は「トルコ化」するか?
インフレの行方…歴史から将来を予測する(5)トルコ化の可能性と円安の要因
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
2022年以降、インフレ率は大きく上昇し、一時、80パーセントを超えるインフレ年率を記録したトルコ。それに伴い金利上昇、通貨安も進むが、株価をドル建てで見ると横ばいである。日本はトルコ化する可能性はあるのか。見るべきポイントは経常収支の動向にある。世界最大の対外純資産保有国である日本で円安が続いている要因とともに解説する。(全6話中第5話)
時間:9分32秒
収録日:2026年1月7日
追加日:2026年3月4日
≪全文≫

●トルコのインフレ率と政策金利動向


 さて続いては、この最後の〈5〉のシナリオ、日本がトルコ化する可能性があるかどうか、トルコと日本の違いなどを確認しながら検証していきたいと思います。

 まずはトルコのインフレの様子を確認していきましょう。こちらのグラフをご覧ください。グラフ左側、トルコはもともとG7各国と比べても高いインフレ率でしたが、コロナ禍の2022年以降、インフレ率は大きく上昇し、一時的に年率80パーセントを超えるインフレとなりました。こうした状況になった大きな背景の一つは、インフレ率が上昇している中、政策金利の引き下げを行ったことです。

 次のグラフを見ると、グラフ中央あたりの赤丸の部分、2021年中盤以降、オレンジ色のインフレ率が上昇傾向にあるにもかかわらず、青い線、政策金利の引き下げを行っています。そしてそれ以降、インフレ率は急上昇しているのが分かると思います。

 これはエルドアン大統領が、コロナ禍でインフレ率が高くなり始めたとき、トルコ中銀に介入し利下げを求めたためです。エルドアン大統領は高インフレには利下げが有効と考えていました。

 エルドアン氏は、従わない中央銀行幹部を更迭するなどして利下げを強行します。このため、通貨の信任が大きく棄損したこともあって、高インフレになったということだと思います。トルコは2023年まで利下げを継続しましたが、その後ようやく利上げが必要だと認識して利上げを開始します。ただ現在、多少インフレ率が低下するも、依然高い水準が続いています。


●トルコの金融市場と物価指数


 さて、こうした状況のトルコですが、このような環境で、金利や為替そして株の動向がどうなったかを示しているのがこちらのグラフです。

 結論からいえば、トルコは高インフレの中、その高いインフレ率に沿った形で、金利上昇、通貨安、自国通貨建てでの株高となっています。

 分かりやすいのは株の動向です。このグラフの濃い青線はトルコリラ建てのトルコ株の推移ですが、グレーの線の物価指数と同じような動きをしています。物価上昇に合わせて株も上昇しているのです。また、オレンジ色の為替、ドル/...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
老子の神髄(9)ウェルビーイングと東洋思想
ウェルビーイングを東洋思想でどう考えるか?…大事な二つの教え
田口佳史
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ