クライン『ショック・ドクトリン』の真実
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
柿埜真吾(経済学者/思想史家)
カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインが2007年に著した『ショック・ドクトリン』は、その邦訳書も増刷を重ねるなど、世界で多くの読者を獲得している。本書の論旨は、経済学の権威であるミルトン・フリードマンを痛烈に批判するものだが、その妥当性には各所から疑義が呈されている。いったいどういうことなのか。今回はまず、クラインが考える“ショック・ドクトリン”について解説し、それがいかに本来のフリードマンの議論から「かけ離れた」ものかを明らかにする。(全4話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分16秒
収録日:2023年7月20日
追加日:2023年9月1日
≪全文≫

●フリードマンを目の敵にするクラインの『ショック・ドクトリン』


―― 皆様、こんにちは。本日は柿埜真吾先生をお招きし、「ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』の真実」ということで、お話をいただきたいと思っております。柿埜先生、どうぞよろしくお願いいたします。

柿埜 よろしくお願いいたします。

―― 『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』(以下、『ショック・ドクトリン』)は、岩波書店から出た本です。原著が出たのが2007年で、日本で訳されたのが2011年ということで、少し前の本ということですね。

柿埜 そうですね。

―― これを今、見てみましたら、2023年の段階で日本版は20刷になっているということなので、だいぶ好調に売れた本なのだろうということはいえるのかなと思います。

 さらに、NHKが世界の名著を次々と紹介していく「100分de名著」という非常に素晴らしい番組がございますが、こちらでも、2023年の6月に、なんとこのナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』が堤未果さんのご解説で取り上げられているということで、果たしてこの本がどういう本なのかということをお聞きしたいのです。

 先ほど、先生にお話を伺っていましたら、この本は2007年に出た段階で、アメリカの非常に権威がある新聞ですとか雑誌などでは「陰謀論」の本であるということで、ほぼ断定的に否定されてしまったというような記事が多く出たということですが、やはりそのような本になるわけですか。

柿埜 そうなのです。『ワシントンポスト』は「陰謀理論の本である」ということで、「世の中そんなに単純だったらいいけどね」と言って皮肉を書いています。

―― はい。

柿埜 『ニューヨークタイムズ』でも、「アカデミックな本ではない」と書いています。わりと好意的な書評でも、「ちょっとこれは…」という書き方です。『ニュー・リーパブリック』の書評やケイトー研究所の書評などは、もうメチャクチャです。

―― はい。

柿埜 全部、まさにその通りという書評が出ています。

―― そのあたりを今日は詳しく聞いていければと思います。そもそも柿埜先生に、このご解説をお願いしましたのが、この本が、いってみればミルトン・フリードマン(以下、フリードマン)を目の敵にしているというところで、世界の悪いことは全てフリードマン一派が仕組んだのだ、という...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
耳障りな言葉がポイント!?新しい概念を生み出すチャンス
中島隆博
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
医療から考える国家安全保障上の脅威(5)日本の医療の問題点と提言
なぜ日本の医療はテロに対応できないのか?三つの理由
山口芳裕
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
柿埜真吾