古代中国の「日常史」
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
歴史書が描く「英雄の歴史」ではわからない古代中国の二面性
第2話へ進む
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
柿沼陽平(早稲田大学文学学術院教授)
古代中国といえば、三国志のような興亡史や、その中心で活躍した武将の名前が連想されることが多いだろう。しかし、激しい戦乱の陰には一般市民の変わらない生活があった。様々な史料を手がかりに名もなき人々の生活実態を調査する日常史研究は、古代中国を新たな角度から照らし出す。まず今回は、日常史研究の問題意識と魅力を解説する。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分08秒
収録日:2022年9月9日
追加日:2023年2月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●激動の時代に一般市民の生活がほとんど変わらなかった古代中国への着目


―― 皆さま、こんにちは。

柿沼 こんにちは。

―― 本日は柿沼陽平先生に「古代中国の24時間」というテーマで、とくに食事に関して伺おうと思っております。柿沼先生、本日はよろしくお願いいたします。

柿沼 よろしくお願いします。

―― 柿沼先生は中公新書さんからこちらの『古代中国の24時間』という本をお出しになりまして、この本は相当売れているというか、流行っている本でございますね。

柿沼 もともと業界が狭いものですから、これをきっかけに少しでも多くの方に楽しんでもらえればなと思っています。

―― 私も拝読させていただいたのですが。あとで詳しくお話もお伺いしますけれども、日常史ということですよね。なぜ日常史なのですか。

柿沼 それは色々な事情があって、資料がございますので、それを早速ご覧いただければと思います。

―― では、早速そちらで話を進めてまいりましょう。こちら、先生に本日ご用意いただいた資料でございます。まずはじめに、中国古代史です。先生はもともと古代史のご専門ということでございますね。

柿沼 そうなのです。一般の方と同じというか、『三国志』が好きで、あるいは秦の始皇帝とか、漢の劉邦とか、そういう人たちをちょっとロマンチックに感じて研究し始めたというのが学生の頃です。そこから今でもそのことを研究しているということです。

 中国古代史と言ったときに、歴史が大変長いのです。例えば今から3000年以上昔に殷王朝というものがございます。普通、歴史学だと、文字史料が登場してからのことを歴史学とか、歴史時代といいます。それ以前を先史時代というのですが、歴史時代というのは基本的に殷王朝から始まっています。この殷王朝の頃から古代史が始まったと一般的にはいわれていて、人によってはその後ずっと1500年以上続いて、遣唐使や遣隋使でも知られる隋とか唐と呼ばれる、西暦で言うと7世紀、8世紀のあたりまでを古代といっていいのではないかという人もいたり、あるいは漢王朝の時代で古代史は終わりだという人もいたりします。でも今回の本は、大雑把に秦漢時代というものにスポットを当てています。

―― こちらの資料でいうと、「秦漢帝国の時代」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹