古代中国の「日常史」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
食事、飲酒、噂話…現代にも通じる古代中国の生活風景
古代中国の「日常史」(4)記録から読み解く風俗
柿沼陽平(早稲田大学文学学術院教授)
数多ある歴史史料の中から当時の日常生活に関する記録を拾い上げる日常史研究。その研究は一体どのように行われ、どのような苦労や楽しさがあるのだろうか。食事や故事にまつわる古代中国の日常史を紹介し、日常史研究の方法と醍醐味を味わっていく。(全5話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分36秒
収録日:2022年9月9日
追加日:2023年2月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●日常史研究から見えてくる、身分で異なる食生活


―― ということで、日常史とはどういうものなのかという広がりと、いかに動きがあるかということも教えていただきました。今回はその中でも特に食事に絞ってお話を伺っていければと思います。この本(『古代中国の24時間~秦漢時代の衣食住から性愛まで』)でも朝から始まって夜までという中で食事のシーンが何カ所か出てくるのですけど、お書きになる上で、食事のシーンで先生がこだわったところというか、何か気になったところはどこになりますか。

柿沼 やはり皇帝というのは一番のお金持ちで、当時、何でも食べられるのです。その人が何を食べたのかというのは記録に残っています。そういうものは歴史学者であれば簡単に調べられるのです。それに対して一般の人たちですが、例えば日常、僕レベルの人がいたとして、朝、夜、何を食べていたのか。あるいは1日に何回食事をしているのか。意外にわからないのです。それを調べるのに苦労したということです。

 例えば大雑把に説明すると、皇帝です。皇帝はやはり色々なものを食べていて、「熊の手のひら」などというものも食べています。僕は食べたことがありませんが、今でも珍味といわれます。そんな記録があったりしますし、三国時代よりもう少し後の時代は、珍味の文化がすごく栄えていて、豚の育て方に至るまでちゃんと記録が残っていたり、あるいはある貴族がこういうふうに豚を育てましたという記録があったりします。

―― (その記録には)何か変わったことが書かれてあるのですか。

柿沼 例えば、人の母乳で育てる。

―― 人の母乳で育てると。

柿沼 ええ。今でも変な話、グルメの人は、豚肉は育成段階から皆さんこだわるのですよね。

―― たしかに、どんな餌をあげるかというのはありますね。

柿沼 例えば、僕は生ハムが好きなのですけど、生ハムだと、確かイベリコ豚にはドングリを食べさせます。中国古代の人では、人の母乳で育てた豚肉は特別やわらかいということで、当時の貴族はそれをやるのですけど、さすがに時の皇帝から、「あいつは人でなしだ。やり過ぎだ」というようなことをいわれているというような記録が残っています。なので、色々なものを食べていますし、貴族に関しては調べようがないというか、逆に広がり過ぎてしまっていて、何でも食べると。それに対して一般民はどうかとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(8)シオニズムとユダヤ教
シオニズムは伝統的なユダヤ教とは異質…イスラエル建国の背景
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博