第二次世界大戦とソ連の真実
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
福井義高(青山学院大学 大学院国際マネジメント研究科 教授)
第二次世界大戦をソ連から見る意味は大きい。なぜなら、第二次世界大戦の始まりにソ連はかなり関与しているからだ。ロシア革命後、世界戦争に向けて自覚的に準備を進めていたソ連。指導者となったレーニンは、演説の中で示した「基本準則」で、革命のために帝国主義諸国間の対立、特に「3つの対立を利用すべきだ」と考えた。はたしてその「3つの対立」とは何か。そして、彼の野望、その遺志はスターリンに引き継がれていく。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分06秒
収録日:2021年12月6日
追加日:2022年3月25日
≪全文≫

●第二次世界大戦をソ連から見る意味とは


―― 皆さま、こんにちは。本日は「第二次世界大戦とソ連の真実」というテーマで、福井義高先生にお話を伺います。福井先生、どうぞよろしくお願いします。

福井 よろしくお願いします。

―― 第二次世界大戦を考えるときに、今回はソ連というファクターで考えていこうということですが、なぜソ連なのかという問いがあります。第二次世界大戦をソ連から見る意味はどこにあるのでしょうか。

福井 第一次世界大戦がなければソ連という国家は生まれませんでした。結局、第二次世界大戦は、その始まりにソ連がかなりの程度関与しているという意味でも、ソ連の位置は非常に重要です。日本の場合は巻き込まれた感じもするのですが、ソ連は自覚的に、世界戦争に向かって着々と歩みを進めていた側面があります。

―― それはソ連が、いわゆる自分自身の世界戦略として戦争を望んでいたという意味ですか。

福井 そうです。そのために大きな体制の変革をしますが、それを平和的に実現するのは難しいことでした。

―― いわゆる革命ということですね。

福井 そうです。第一次世界大戦のような非常に大きな戦争で国内が混乱することは、やはり共産主義革命にとっては非常に助けというか、重要な契機になったということです。

―― 実際に第一次世界大戦の途中でソ連ができるのも、ロシア帝国自体が第一次世界大戦でボロボロになってしまって、どうにもならなくなって革命に至ったという局面がありますね。

福井 それにプラスして、結局ドイツが、今戦争をしているロシアを倒すために、ボルシェヴィキやレーニンたちをそそのかして援助しました。つまり、外国からの援助プラス戦争によって革命が起こったのです。そのため、始まりはあまりきれいな歴史ではありませんでした。

―― そういう生まれのいわれもあり、ソ連としては同じことをもう一度繰り返すことによって、共産圏の拡大につなげていこうという思惑があったのですね。

福井 そうですね。


●レーニンの「基本準則」にみる革命の準備段階


―― 今回の講座における先生の研究のスタンスは、基本的にはロシアの共産党のスターリンやレーニンが実際に言ったこと、発言したことをベースに見ていくという理解でいいでしょうか。

福井 そうです。例えば、スパイモノだとゾルゲ事件がそうですが、末端のスパイ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
「王朝国家」と「武士」が誕生した理由は大唐帝国の解体
関幸彦
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(1)古代の持つ意義と重み
一神教もアルファベットも貨幣も全て古代に生まれた
本村凌二
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(1)家斉が長期政権を維持できた理由
11代将軍・徳川家斉が50年もの長期政権を築けた理由
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫