独裁の世界史~ソ連編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ユーラシアの西と東で違いを見せる「独裁」のすがた
独裁の世界史~ソ連編(4)スターリンの負の遺産
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
スターリンやヒトラーのように過激な独裁はその後、中国の文化大革命やカンボジアのポル・ポト政権に引き継がれた感も否めない。そのような独裁を生む背景にはどのようなものがあるのだろうか。話はユーラシアの東西での違いについて進んでいく。(全4話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分30秒
収録日:2020年1月30日
追加日:2021年3月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●スターリンの粛清は劣等感が原因だったのか


―― 一説には、スターリンが実は意外に背が低かったり、天然痘に冒されたためにかなりのあばた面で、本人が劣等感を持っていたと言われます。また、革命から上がってくる過程でもいろいろ後ろめたいことがあったと言われ、どちらかというと劣等感を持ちやすいタイプの人だったのだろうという感じも受けます。

 劣等感が悪いほうに出てしまったということかなとも思いますが、そうした粛清のほうに進んでしまう例というのは、歴史上は比較的ありますよね。

本村 もちろんそれは前近代にはありますけれども、やはり近代・現代になってからのことですから、やはり非常に異常だという気がします。

―― あの感覚は、ヒトラーもそうですし、スターリンもそうですけど、日本人ではあまり考えられません。

本村 そうですよね。日本人にはないし、ヨーロッパの中でも少なくとも前近代にはあるけれども、近代、あるいは特に第一次世界大戦後が現代とよく言われますが、そういう中で起こったことだから異常な気がします。

―― そうですね。ほんとにあの時代はソ連もそうだし、ドイツもそうでした。その後、第二次世界大戦以後になって中国の文化大革命やカンボジアのポル・ポト政権など、およそ身の毛もよだつような虐殺がどんどん展開されるようになります。


●ユーラシアの西と東で「独裁」は大きく違う


―― この流れは一種、共産党や共産主義という制度の宿命であるのか、それとも例えば「スターリン主義」的なものの遺産なのか。そのあたりは、どのようにお考えになりますか。

本村 一つには、アジアの東側に行けば行くほど皇帝や王権というものが強くなるので、そのような中で主義にかかわらず起こるのが独裁だという気がします。

 比較すると面白いのは、権力者や為政者たちが、ユーラシアの西側では表に顔を出すことです。例えば、ローマ皇帝も円形闘技場(コロッセオ、コロッセウム)に出てきて、ずっと貴賓席で見ていた。その姿をまた観衆が見ているのが常でした。

 ところが日本の場合、天皇はもちろんのこと、将軍が民衆の前に出て行くということさえ、おそらく考えられないようなことだったと思います。

―― そうですね。

本村 明治時代になってからも天皇は表立っては出てこないわけですし、昭和天皇も戦前まではそうだった。それが戦後に「...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
国家の利益~国益の理論と歴史(2)ペロポネソス戦争の教訓
国益の歴史…ペロポネソス戦争の教訓とトゥキディデスの罠
小原雅博
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留