歴史から考える「ロシアの戦略」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「侵略的行為」「領土拡張」へのソヴィエト側の論理とは
歴史から考える「ロシアの戦略」(3)ロシアの領土拡張と「2つの願望」
山添博史(防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長)
日露戦争を経て、アジアからヨーロッパ諸国へと侵攻の矛先を変えていったロシア。一見、拡張主義的な侵略行為に見えるロシアの動きだが、そこにはどのような意味があったのだろうか。第1次世界大戦期までを振り返り、ロシアの領土拡大とその背景にあった「2つの願望」について解説する。(全7話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分22秒
収録日:2024年1月18日
追加日:2024年3月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●日露戦争後、日本とロシアは協商・同盟関係になった


―― そのような形で、ロシアがアジアに出てきます。ここでまず、日本と日露戦争になるというところなのですが、先ほど先生がおっしゃったように、ロシアとしては弱い相手には攻めてくると。

 日本はやっつけられると思ったというところですよね。

 しかし、それが叶わずに日本に事実上負けるということになるかと思うのですが、最終的にはそれでアジアに対する考えというのは少し変わったのですか。

山添 そうですね。ぶつかることによって、日本と戦うコストが高すぎるのだということがはっきりしました。

 もともとセルゲイ・ウィッテ(帝政ロシア末期の政治家/日露戦争でのポーツマス講和会議の全権)などの人々は「勝ったとしても、非常にコストが高いのだからやめておけ」ということだったのですけれど、実際に戦って、勝てもしなくて、さらにはその戦争の負担によって国内が不安定化して革命騒ぎも起こってしまっている。そういう状況よりは、ロシアが持てるところをしっかり保持できれば、極東では十分やっていけるということで、むしろ日本とは同盟の時代に入っていくわけです。

(つまり)日露協約の時代があって、3回更新されているのですが、3回目(の更新後)はほぼ同盟という形で、第1次世界大戦の時には日本は帝政ロシアとの同盟国ということです。ぶつかることによって「ここまででよい」ということがロシアには分かったので、それによって日本とうまく生きていく道ができました。逆にいえば、そこまで本気で戦い続けないといけないような場所ではなかったということです。


●「侵略的な行為」についてのソヴィエト側の論理


―― 日露戦争から第1次世界大戦までの間、極東以外の土地におけるロシアの戦略というのはどういうイメージだったのですか。

山添 やはり、極東への拡張の願望がそこでいったん止まったので、本来のやるべきことということでロシアのナショナリストがまた「極東よりもバルカン半島だ」と言い始めています。そこで先ほど(第2話で)いいましたように、オスマン帝国のもとのブルガリア人、セルビア人の独立を助けていく。これはもう独立にはだいぶ進んでいるのですけれど、そこでさらに勢力圏を増やしていきたい。

 そうすると、セルビア人を圧迫し制御しよう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(2)高齢者総合機能評価とフレイル
“マッチョな老衰”はいない!?若い頃からいかに骨格筋肉量を蓄えるかが健康長寿の鍵
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(5)東洋的リーダーシップ
『貞観政要』が人気…日本の経営幹部研修で好まれる理由
三谷宏治
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸