歴史から考える「ロシアの戦略」
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
想定外だったクリミア戦争…ロシアの「弱さ」の原因と結果
歴史から考える「ロシアの戦略」(2)19世紀のロシア
山添博史(防衛研究所 地域研究部 米欧ロシア研究室長)
クリミア戦争、中央アジアの南下、さらに極東へ領土拡大のため向かったロシア。19世紀の動きに着目すると、イギリスやフランスとの衝突をできるだけ避けながら東アジアに攻め入ろうとしたロシアの思惑が見えてくる。それを知ることが現在のロシアの振る舞いを理解するためには必要である。今回は、想定外だったクリミア戦争の顛末をはじめ19世紀のロシアについて解説する。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分20秒
収録日:2024年1月18日
追加日:2024年2月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●ロシアにとって想定外だったクリミア戦争の顛末


―― そのあたりのことを歴史的に見てまいりたいと思います。次にご用意いただいたのは、「19世紀ロシア」ということで、まさに今お話があったクリミア戦争、中央アジア、さらに極東ということで示していただいています。

 このクリミア戦争というのは、よく世界史などでも聞く言葉でありますが、どういう位置付けになるのですか。

山添 これは、べつにクリミア半島をめぐってロシアが戦いたかったわけではなくて、結果的にクリミア半島が大激戦の場になったということなので、 この名前で後世いわれているのです。

 ロシアはトルコのオスマン帝国が支配しているエルサレムの聖職者、教会の管轄権についてロシアの正教会とフランスが支援するカトリックとで争いがありました。それをめぐって、オスマン帝国の首都イスタンブールに対して認めさせようということでもめごとになって、何回目かのオスマン帝国との戦争をやりました。

 イギリス・フランスとの戦争をロシアは避けられると思っていたのに、思いがけずイギリス・フランス、それにイタリアのサルデーニャも参戦しました。それでロシア領のクリミア半島にイギリス・フランス軍が乗り込んできて上陸します。そういう激しい戦いは、イギリスにとっても、「やらなくてよかったのではないか」とあとでいわれるような辛い戦争であったわけですけれど、ロシアのほうが自国の領土で負けてしまったということです。

 なので、ロシアの立場からすると、簡単に勝てるようなオスマン帝国との戦いを始めたところ、イギリス、フランスに負けてしまったということで、これは望まない大国との戦争を誤ってやってしまった事例です。

―― イギリスとフランスの思惑というのはどういうところにあったのですか。

山添 ロシアにとって黒海の出口にあたるボスポラス・ダーダネルス海峡をコントロールしたいという願望がロシアにはずっとあるわけですけれど、そこまでロシアが勢力下におくのは許容できないというのがイギリスの立場ですので、それを防ぐというのが大きな動機です。


●ロシアは遊牧民族圏をなかなか治められなかった


―― なるほど。次の中央アジアというのはどういう話になりますでしょうか。

山添 ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫