地政学入門 ヨーロッパ編
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ロシアの飛び地…バルト3国にとって地政学上のポイント
地政学入門 ヨーロッパ編(7)バルト3国とロシアの飛び地領土
小原雅博(東京大学名誉教授)
ソ連の崩壊とともに独立したバルト3国。ロシア資源に依存しないリトアニアをはじめとして、ラトビア、エストニアという小国として独自の振る舞いをするこの3国から日本が学ぶべきことは何か。また、ロシアのウクライナ侵攻において地政学的に重要であるバルト3国の地理的条件について、飛び地領土の意味とともに解説する。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分41秒
収録日:2025年2月28日
追加日:2025年6月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●バルト3国に学ぶ小国のありかた


―― 続きまして、東ヨーロッパですね。

小原 はい。これまでもずいぶん議論してきたのですが、バルト3国です。これが旧ソ連を構成する共和国だったわけですけれど、これが、ソ連が崩壊のときに独立をしていくわけです。

 資料に書いたように、この3つの国です。リトアニア、ラトビア、エストニアです。小さい国ですけれど、それぞれに特徴があります。例えば、皆さんご承知のように、リトアニアで「命のビザ」という、当時総領事館で、ビザを発給していた杉原(千畝)副領事が、ポーランドのほうから逃げてきたユダヤ人たちに日本通過のビザをどんどん出したわけです。その結果、救われたユダヤ人がたくさんいて、ユダヤ人、イスラエルは彼に大変感謝をしたという物語もあって、リトアニアと日本の関係というのはそうしたつながりもあるわけです。

 例えばこの国は、台湾との関係を非常に大事にしていて、この3国みんなそうなのですけれど、ソ連、大国の圧力、あるいは弾圧、そうしたものを受けてきたということがあって、同じような境遇の台湾に対して同情というか、共感というのはすごくあるわけです。台湾代表処を開いたりしているわけです。これに対して、中国は猛烈に抗議をするというようなこともあったわけですけれど。

 こうしたバルト3国の置かれた立場は1つ、このヨーロッパを見る上で大事なポイントかなと思います。例えば、資料に書いてある海上LNGターミナルは何を意味しているかというと、LNGというのは液化天然ガスです。この後に出てきますけれど、ロシアというのは大変な資源大国で、天然ガスをパイプラインでヨーロッパにずっと送ってきたわけです。対ロシア依存というものが制裁をロシアにかけるときに非常に難しい問題になったわけです。

 ところが、リトアニアは以前からロシアに依存しない体制をつくるために、天然ガスをロシアから買うのではなくて、自分たちでLNGターミナルを造って船で他のところから、例えばノルウェーがすぐそばにありますけれど、こういうところから液化天然ガスを確保するということをやってきた国なのです。

 だから、小さい国だけにロシアとの関係で、そうした歴史的な教訓を踏まえて対応しているということで、非常に興味深いと思います。

 エストニアと(資料の)下のほ...

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