豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
黒田基樹(駿河台大学法学部教授/日本史学博士)
規格外の出世物語として読み継がれてきた『太閤記』。その破天荒なヒーローとして描かれた秀吉像は、いずれもその時代の庶民の願望を映したものだった。今回の研究が明らかにしたのは、秀吉の父親についてで、半農半士の存在として織田家に支えていただろうということである。太閤神話と史実のあいだに横たわる秀吉の実像に迫る。(全10話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:10分05秒
収録日:2025年10月20日
追加日:2025年12月24日
≪全文≫

●秀吉・秀長兄弟の出自と父の秘密


―― では、この(豊臣)兄弟、秀吉・秀長兄弟の出自ですね。これも前回お話ししたように、ドラマによって父が違うとかいろいろな言われ方をしてきましたが、今の段階で史料を見ていくと、何が一番確からしい話になるのですか。

黒田 そうですね。これについては、今年(2025年)になって『羽柴秀吉とその一族』(角川選書)という本を出しました。

そこでは、江戸時代の中でもできるだけ時期の早い段階にできたものだけを見て、そこからどういう状況が見えてくるのかを検討したわけです。江戸時代も進んでいくと、どんどん話が作られていってしまうので…。

―― そうですよね。

黒田 面白おかしくなっていってしまうので、最も古い段階ではどういわれているのかを元にしていきました。だから、基本は小瀬甫庵の『太閤記』の話です。それと素材が多分共通して書かれているものが、『明智軍記』の中の秀吉の出生についての部分にあった。そこが基本的には一番良質かと考えています。

 結局、父親は弥右衛門という人なのですが、この名前は後から出てくるのです。竹阿弥のほうが早くて、その後に弥右衛門という名前が出てきます。弥右衛門と竹阿弥では名前が違うので別人だという発想が、後の段階で生まれてきたのだと思いますが、早い段階は全て竹阿弥です。

 ですから、弥右衛門と呼ばれている人の存在は分からないのですが、そういう名前があったとしても、両者は同一人物と考えるのが最も適切だと考えています。

―― これは、要は出家した後の名前とか、そういうものですか。

黒田 そうですね。弥右衛門の名前を出しているのは、『太閤素生記』という名前(の文書です)。このニュースソースは秀吉の知り合いの子孫ということになるので、そこそこ信用できると思います。そういう関係で、竹阿弥の名前ではなく弥右衛門という名前を伝承したのだろうと思います。

 そこでは、「戦場で傷を負って村に戻ってきた」という記述になっているので、多分それを契機に出家したのではないかと思います。また、竹阿弥号を名乗っているので、宗派が時宗だと推定できるわけです。江戸時代の人はそれが分からなかったので、『太閤素生記』や『清須翁物語』などでは「同朋衆」だと表現しています。

―― 同朋衆というのはどういうもの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
信長軍団の戦い方(1)母衣衆と織田信長の残忍性
織田信長を支えた母衣衆に見る戦国のダンディズム
中村彰彦
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
イラン戦争と終末論(2)終末論とトランプ政権への影響
イラン戦争で反ユダヤ主義が加速!?トランプ政権へのリスク
東秀敏
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(6)概念の普遍化に必要なこと
なぜ論語の中の「道」は世界的に役立つ普遍的概念なのか
中島隆博