豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
黒田基樹(駿河台大学法学部教授/日本史学博士)

6.長期包囲戦が得意!?“軍事的天才”秀吉の戦い方の特徴
2026年1月4日配信予定
7.文武両道の名将…秀吉に怒られなかったのは秀長と家康だけ
2026年1月11日配信予定
8.想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
2026年1月18日配信予定
9.タイトル未定
2026年1月25日配信予定
10.タイトル未定
2026年2月1日配信予定
講義一覧を見る▼
秀長はどんな経緯で兄・秀吉を補佐するようになったのか。これまでに語られてきた秀吉の物語では、脇役だった秀長について詳しく伝えるものは少なかった。今回、信長・秀吉・家康などに関連する史料と当時の習俗を照合していくことで、秀長の歩み、そして秀吉・秀長の役割分担の実態が浮かび上がってきた。秀吉同様の武闘派だった秀長は最初、信長の直臣だったが、兄の出世に伴い羽柴を名乗り、秀吉の与力として活動していく。今回は、その知られざる経緯について解説する。(全10話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分03秒
収録日:2025年10月20日
追加日:2025年12月28日
≪全文≫

●秀長が信長の直属軍団に入った経緯


―― ここまではずっと秀吉の話を聞いてまいりましたが、(今回は)秀長ですね。最初に秀吉が信長に仕えることになって、当然、その関係で秀長も仕える形になると思うのですが、両者の仕える年代や仕え方には何か違いがあったのでしょうか。

黒田 秀長が信長の家臣になった時期は全く分からないので…。

―― 全く分かっていないのですか。

黒田 分かっていないのです。初見の史料は天正元(1573)年で、秀吉が小谷領の計略を進めている段階ですが、そのときにはすでに秀吉に従って計略を担っていることが分かっています。ただ、その段階での立場はあくまでも信長の直臣なので、いつそうなったのかは分からない。

 多分、秀吉が侍大将になり、独自の家来を抱えていかなければいけなくなった頃に声をかけて引き連れてきた(のではないか)。ただ、秀長は秀吉の家臣ではなく、信長の直臣に引き立てられてしまうのですが、そういうところですかね。京都に入る前の段階ぐらいではないでしょうか。

―― 今、信長の直臣というお話がありましたが、普通の感じでいうと、兄弟でもあるので、秀吉の直臣というか、下についてもおかしくないように思えます。信長につくというのは、何か信長軍団というようなものがあったのですか。

黒田 信長の直属軍団は「馬廻衆」というものになるのですが、それは大体直臣の次男や三男を引き抜いて編成しています。

―― なぜそういう人を引き抜くのですか。

黒田 長男はそれぞれの役割を受け継がなければいけないから、次男・三男で有能な者を自分の側近に編成するというのが、ごく一般的な戦国大名のあり方でした。前田利家も四男なので信長の馬廻衆になり、後で本家を継ぐという形なので、普通のことです。

 秀吉が有能だったので、秀長も有能だったのが分かったのでしょうね。側近の家臣として馬廻衆を編成していた。だから、秀長の最初の名前は「長秀」で、この「長」はどう考えても信長からもらったとしか思えない。だから、信長の直臣であることはもう間違いないところですね。

―― なるほど。これは先ほどお話がありましたが、その時期の秀長がどうだったかについては史料がないので分からず、最初に出てくるのが小谷攻めの頃ということですね。それ以降は大体兄弟一緒に働くような形になるのですか。そうとも限らないですか。

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾