天皇のあり方と近代日本
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
戦後の「人間天皇」と「開かれた皇室」がもたらす悲劇
第2話へ進む
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授/音楽評論家)
日本の歴史のなかで、天皇や皇室の姿は大きく移り変わってきた。日本が第二次世界大戦に負けた後、戦後日本的な象徴天皇の姿が確立されていったが、今、その「戦後の皇室像」の変化が求められているのではないか。その問題意識を元に、片山杜秀氏に「さかのぼり的」に、皇室のあり方の変化を聞いていくシリーズ。第1話は、1946年元日に出された「新日本建設に関する詔書(いわゆる人間宣言)」などを経て、いかに「象徴天皇」への理解が形成されたのか、経緯をたどる。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分12秒
収録日:2021年11月2日
追加日:2021年12月16日
≪全文≫

●変化してきた「皇室のかたち」をさかのぼる


―― 皆様、こんにちは。本日は片山杜秀先生に「天皇と日本史」というテーマでお話をいただきたいと思っております。片山先生、どうぞよろしくお願いいたします。

片山 よろしくお願いいたします。

―― このテーマを立てた大きな理由としては、眞子内親王様(現・小室眞子さん)のご成婚にあたり、かなり誹謗中傷といわれるような批判が、これまででは考えられないようなかたちで集まるなど、皇室のかたちなり、天皇と国民の関係なりが少し変わりつつあるのではないかという、この時代的な雰囲気のなかで考えたことがあります。

 とはいえ、天皇と皇室の姿というものが、歴史とともに大きく移り変わってきています。直近で見ても、もちろん江戸期の天皇のあり方と明治期の天皇のあり方は全く違いますし、さらに第二次世界大戦を挟んで、その前と後で全く違う皇室像になっているというように、非常に大きな変化が繰り返されました。

 やはり日本にとっては、天皇のあり方なり、国のかたちのあり方が、日本史を見ていくうえで非常に重要です。また、それを見ていくことで、今後の行く先なども見通せるのではないでしょうか。ぜひ、このテーマでお話をいただければというふうに思います。

片山 はい。

―― どちらかというと今回の講義は「さかのぼり式」といいますか、現代から始めて、「こうなったのは、こうだったから」ということで、少しさかのぼっていくイメージでお話をおうかがいできればと思っております。

 まず、日本が第二次世界大戦に負けた後、新しい皇室像ができてまいりました。今、それがどう変わりつつあるのか、ないし戦後の皇室像に、もし変化が求められているとしたら、それはなぜなのかという点をお聞きしたいのですが、片山先生は、いかがお考えでいらっしゃいますか。


●昭和天皇の「ご聖断」と「新日本建設に関する詔書」


片山 そうですね。戦後の皇室は、一番簡単には、1946年の元日の、いわゆる昭和天皇の「人間宣言」から始まったという言い方をしてもいいと思います。

―― いわゆる「新日本建設に関する詔書」というものですね。

片山 もちろん、その前段としては1945年8月の「ご聖断」がありました。「ご聖断」は国民の前で行われたわけではなく、ある種、密室の「御前会議」で行われたことだけれども、その後、「今度の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純

人気の講義ランキングTOP10
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿…対比で見えてくる現代的課題
片山杜秀
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(3)「古くて新しい問題」と雇用の未来
AIは「失業」を増やすか減らすか…創造的破壊か?資本化効果か?
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(3)小林秀雄の批評
デビュー論文「様々なる意匠」小林秀雄の試みと直観の真意
浜崎洋介
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理