逆境に対峙する哲学
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
人生に逆境はつきものだが、その中でわれわれは変化し成長していく。そこで大切なのは、これまで話題になってきた本居宣長や白隠やモンテーニュなど、先人たちが何を考えどう生きてきたかを知識として知ることだ。彼らの知識を携えることによりわれわれは先人を友とし、逆境を生きていくことができるのだ。(全10話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分07秒
収録日:2025年7月24日
追加日:2026年1月16日
≪全文≫

●誰でも逆境の中で変われる、変われば逆境がなくなる


津崎 最初の話に戻ると、逆境というのはデフォルトというか私たちの人生は逆境だらけと言える。

五十嵐 だから逆境を避けるべきではない、というのが、ここまでの話の中で一つ言えることかなと。「逆境を恐れる」ことがむしろ「逆境を作り出す」ことも私たちは話してきて、恐れる人ほど逆境をたくさん作ってしまう。

津崎 そうそう。思いが逆境を焚きつけるわけだからね。

五十嵐 そうそう。だから、逆境を怖がる人ほど逆境を大きくしてしまい、たくさん作ってしまう。だったら、「逆境を恐れるべき」という考え方をちょっと変えてみる可能性だってあっていい。逆境を恐れるんじゃなくて、逆境に対して「さあどうなるのかな」と考える。その逆境の中で、自分がどう変化できるのかということを待つ。そういうことは、分別じゃなく智慧として可能なことなんじゃないかと思います。

 だって自分だけじゃなくて、これまでたくさんの人がそういうことをしてきたわけだから。それぞれの身の丈に合った逆境の中で、白隠和尚だって他の人だってみんな変化してきた。だから私も、この逆境の中で変化するんだろうな、ということ。それは神を「信じる」のとは違う意味で、「誰でも逆境の中で変わる、そして、自分が変わったときにその逆境がなくなる」ということを経験的な事実として「知る」ことができるのかと思います。

全員 (うなずく)

五十嵐 何か言って(笑)。

津崎 話がつながるかどうか分からないけどね。今日は僕自身、専門がデカルトだから、それに先立つ16世紀のリプシウスやモンテーニュを持ってきて、エピクテトスの話をしたんだけど、最終的には彼が述べていることに行き着くのかという印象が強い。彼は、「自分自身の力の及ぶ範囲と及ばない範囲を明確に区別しなければいけない。これを混同することが悩みの種だ」という言い方をしています。

 では、自分が完全にコントロールできるもの、自分の圏内、権力や権能の中にあるものは何か。それは「自分の思い」であり、感情、判断、思考である。それで、やや広く「思い」という言い方をするけれども、これは完全にコントロールできる。だけど絶対にできないものは何かというと、肉体や財産──あるいは(白隠)和尚の話で「こんなことをし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉