逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾 逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる 追加日:2025/12/19 「逆境とは何に逆らうことなのか」「人はそもそも逆境でしか思考しないのではないか」――哲学者鼎談のテーマは「逆境に対峙する哲学」だったが、冒頭からまさに根源的な問いが続いていく。ヨーロッパ近世、ヨーロッパ現代、日本と東洋... 「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味 逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者 追加日:2025/12/20 西洋には逆境は神が与える運命という考え方があり、その運命をいかに克服するかを考えたのがストア派だった。しかし、神道が説くように「ヒトもカミ」であれば、それに気づく瞬間は逆境の中にこそ存在するはずである。「他者である世...
「哲学カフェ」再現講義第二弾「教養とは何か」語り尽くす 「教養とは何か」を考えてみよう(1)「あの人って教養あるよね」とは 追加日:2021/04/27 「教養」について話すのは面はゆい。話す当人が「自分の教養を疑ってもみない」人間であるように見えてしまうからだ。そうした厚顔さは教養と相容れないものだが、その理由はどこにあるのだろう。わたしたちはどのような人に「教養」... レヴィ=ストロースの「ブリコルール」と「教養がある人」 「教養とは何か」を考えてみよう(2)「壊れたペン」と教養の関係 追加日:2021/05/04 「オネットム」はパスカルの定義した「素晴らしい人間」像であり、「教養人」と重なる部分も多い。それは、自分の心をオープンにして他者とつながることができる人のことだ。その能力があれば、「壊れたペン」でも「壊れたペン」には... 中途半端な教養の人は知識の「箱」をたくさん持っているだけ 「教養とは何か」を考えてみよう(3)知識の「箱」に縛られない 追加日:2021/05/11 教養が単なる「知識の貯蔵」でないことは、誰もが知っている。知識の「箱」に縛られることなく問いを立て直し、問いと答えの一対一の対応を破り、新たな関係を見いだすためには想像力や発想力が必要とされる。しかし、そうした力を養... シンパシーとエンパシーの違いと「教養」について考える 「教養とは何か」を考えてみよう(4)外国語から「教養」を考える 追加日:2021/05/18 日本語の「教養」という言葉に相当する外国語には、「耕す」というニュアンスの英語“culture”とともに、「つくる」というニュアンスのドイツ語"Bildung”がある。両者の違い、あるいは重なりはどこにあるのか、日本人には分かりにくい... 「教育には二種類ある」キケロが説いた人間性を磨く思想 「教養とは何か」を考えてみよう(5)「大吟醸」のように磨かれて 追加日:2021/05/25 古代ローマの雄弁家キケロは、教育には二種類あると述べた。子どもに対する教育が一通り終わった後、必要になるのが「フマニタス・ポリティオル」という「人間性を磨く」ための教育だという。人間性を磨くのは、キラキラにするためで... アーレントが『人間の条件』で提示したことと「永遠の未決性」 「教養とは何か」を考えてみよう(6)自力か他力か 追加日:2021/06/01 教養は一般的に「身につける」ものと言われるが、本当にそうだろうか。未知の人と知り合うのは、世界の多様性を知ることにつながる。そのとき、人は自分を磨いているのか、人によって磨かれているのか。また、人は安定を求めがちだが... レジリエンスとライプニッツから考える教養と他者の問題 「教養とは何か」を考えてみよう(7)レジリエンスと「死者」 追加日:2021/06/08 教養のもう一つのキーワードとして「レジリエンス」という言葉を挙げたい。「回復力」とか「忍耐力」という意味の言葉だが、他者との出会いによってつまずいたわたしたちは、立ち直っていく過程で教養を磨いていると考えることもでき... 優越感と劣等感のなか自分を更新していくのが教養 「教養とは何か」を考えてみよう(8)カンニング事変 追加日:2021/06/15 今回は意外にも「カンニングの告白」から話が始まる。生徒時代のカンニングはありふれた行為だが、その後、優越感と劣等感にさいなまれながら、どのように自分が変化するか、そこは教養とも大きく関わってくる。それは己のなかに「規... 「リベラル・アーツ」と「自由」の関係を歴史的に振り返る 「教養とは何か」を考えてみよう(9)リベラル・アーツと脱我 追加日:2021/06/22 「本来のわたし」とは、どこまでを指すのだろうか。対外的に意味をなすための名前も地位も「わたし」を守るための鎧だとすると、わたしは鎧に奪われてはいないだろうか。その鎧を捨てたり抜け出したりして自由になるためには「勇気」... デカルトの思考実験とポルトマンの「生物学的早産」 「教養とは何か」を考えてみよう(10)人間だけがなぜ話をするのか 追加日:2021/06/29 大型の動物のなかでなぜ人間だけが話をするのだろうか。二人の哲学講師は「生物学的早産」による就巣性に目を向ける。人間が独り立ちするまでの長期間、子育てをしない社会はない。そこにはコミュニケーションが生まれ、規範が発生す... 教養は公共財なのか、プラトンの書かなかった「ある事柄」 「教養とは何か」を考えてみよう(11)教養はみんなのもの 追加日:2021/07/06 プラトンの『第七書簡』には「書かれることのない事柄」についての言及がある。文字では伝わらず、共同体における共同生活と共同探求のなかでしか伝わらない事柄。それが哲学であるとすれば、教養は個人が所有するものと言えるだろう... 福沢諭吉が『学問のすゝめ』で説いた教養の効用 「教養とは何か」を考えてみよう(12)教養は役に立つのか 追加日:2021/07/13 日本で「教養」という言葉が使われ始めたのは明治末期のことである。その後、教養には「学問と芸術によって知性や人間性などの人格を高めていく」という意味が付加されていく。今は一般に実生活では役立たないもののように捉えられる... 「アマチュア」の語源から学びについて考える 「教養とは何か」を考えてみよう(13)【深掘り編】学びの在り方 追加日:2021/07/20 自分が苦心して学び、気づいたことに対して、先人がとっくに答えを出していたと分かったとき、わたしたちはどう考えればいいのか。それは骨折り損の行為なのだろうか。対話講義の後に行われた質疑応答編その1。(全15話中第13話) ※... デカルトはなぜ「学ぶ人は一人にしては駄目」と言ったのか 「教養とは何か」を考えてみよう(14)【深掘り編】身につけるか、身から引き離すか 追加日:2021/07/27 キーボードを意識しなくなるほどパソコンに習熟すれば、パソコンから自由になれる。また一方で、身につけた知識の鎧を脱いでこそ、本当の自分を磨き上げていくことができる。教養を身につけていくプロセスで一見矛盾するように思える... モンテーニュが説いた「歴史を勉強すること」の意義 「教養とは何か」を考えてみよう(15)【深掘り編】学んだ価値観にハマるリスク 追加日:2021/08/03 三つ目の問いは、学びが深まるにつれて一つの価値観に凝り固まってしまい、バランスのとれた見方を失うことのリスクについてである。それは思想を深める者にとって避けるべき危険なのか、他者と意見を交わし合うことは、そのためにど...
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現 「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか 追加日:2020/07/31 筑波大学では、身近なテーマについて哲学者を交えて話し合う「ソクラテス・サンバ・カフェ」(通称「哲学カフェ」)が毎月開かれている。中学生以上の一般市民ならだれでも参加でき、高校や中学校への「出前」も行われてきた。今回は... 「ありがとう」と言うしかない人が教えてくれたこと 「幸福とは何か」を考えてみよう(2)幸せは、どこで感じますか 追加日:2020/08/07 第2話では幸福の感じ方やそれを測る尺度について、二人の哲学講師の話がはずむ。エピクロスが言うように自己充足が幸福であるならば、他者の存在は必要ないのか。社会的に無力な人の幸福とは何か。(全9話中2話) 哲学者ヒュームはなぜ「共感」を重視したのか 「幸福とは何か」を考えてみよう(3)共感しますか、共有しますか 追加日:2020/08/14 幸福はその人の感じ方次第なら、「おめでたく」なることで、それは簡単に手に入る。だが一方で、幸福には「共感」が欠かせないとヒュームは言う。共感について考えていくとき、揺さぶられるのは個々人の感情だが、感情に果たして特定... 幸せの第一歩は「自分で自分のことを決める」大人になること 「幸福とは何か」を考えてみよう(4)「○○できるようになる」までは不幸でいいですか 追加日:2020/08/21 日々の学校教育では、未来の目的達成のために現在の快楽や幸福を犠牲にすることが強調される、と「哲学カフェ」から厳しい指摘がなされる。それは、子どもたちにどんな自己認識をもたせるのだろう。近代ドイツの哲学者カントは、その... アリストテレス、パスカル、フロイト、それぞれの幸福論 「幸福とは何か」を考えてみよう(5)「幸福は最善」って本当ですか 追加日:2020/08/28 アリストテレスは「幸福は最善」だと明晰に定義づけたが、近代の思想家はそうでもない。パスカルは「人間は不幸から逃れて生きている」と言い、フロイトは「人は幸福を求めて病になる」と言った。筑波大学で「哲学カフェ」を主催して... 「満足した豚より不満足な人間がいい」…ミルの幸福論とは 「幸福とは何か」を考えてみよう(6)渇いているのは喉、それとも心ですか 追加日:2020/09/04 「最大多数の最大幸福」で知られるベンサムとミルの「豚の哲学」へと話は移行する。幸せは量なのか、質なのか。飽食時代のわたしたちは渇いた心を潤すために、喉の渇きや生理的な食欲を利用してしまってはいないだろうか。(全9話中6話) 哲学の仕事は「モヤモヤ」を立ち上がらせること 「幸福とは何か」を考えてみよう(7)今日の話にモヤモヤしましたか 追加日:2020/09/11 「人は哲学を学ぶことはできない」というカントの言葉は、「せいぜい哲学することを学べるだけだ」と続く。では、哲学講師の二人は「哲学する」ことについて、どのような役割を自身に課しているのだろうか。そして、本シリーズの視聴... 成功者による「プランド・ハップンスタンス・セオリー」とは 「幸福とは何か」を考えてみよう(8)「偶然」に身を任せてみますか 追加日:2020/09/18 幸福かどうかは自分で決めるとしても、人は幸福に「なる」のか、あるいは幸福で「ある」のかという疑問は残る。フランス啓蒙思想のルソーは、現在という瞬間における私の存在感こそ幸福の鍵だと論じた。話題はさらに「幸福」と「幸運... 記号として生きるのが「本当のあなた?」とハイデガーは問う 「幸福とは何か」を考えてみよう(9)ガチでわたしらしく、やりませんか 追加日:2020/09/25 古今の哲学者を通して幸福や幸運について対話してきた「哲学カフェ」だが、最終回ではハイデガーの思想が語られる。他者からの「記号的存在」を超えた「本来的存在」として生きるには、自らの存在の本質について問い、一瞬ごとに賭け...
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