「幸福とは何か」を考えてみよう
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アリストテレス、パスカル、フロイト、それぞれの幸福論
「幸福とは何か」を考えてみよう(5)「幸福は最善」って本当ですか
アリストテレスは「幸福は最善」だと明晰に定義づけたが、近代の思想家はそうでもない。パスカルは「人間は不幸から逃れて生きている」と言い、フロイトは「人は幸福を求めて病になる」と言った。筑波大学で「哲学カフェ」を主催している二人の対話は、幸福と欲望の関係へと移る。そこで浮かび上がってきた「BMIの法則」と、その中核をなす「ライオン食べ」とは何だろう。(全9話中5話)
時間:9分41秒
収録日:2020年3月19日
追加日:2020年8月28日
≪全文≫

●「幸福は最善」とアリストテレスは言うけれど


津崎 今日、ここまでいろいろ話してきて、そんなに幸せって大事かな、幸せにならなきゃいけないのかな、僕たち、と思えてきました。

五十嵐 「幸せになる」というのはともかく、「幸せである」ことは選択できるんじゃないかなと思う。「幸せになる」ためには、外的な条件がいろいろあるから。

津崎 もうちょっと言い直すと、「幸せである」状況というのは端的に良いことかな?

五十嵐 良いことなんじゃない?

津崎 アリストテレスはそういうふうに言うよね。「幸福は最善である」と。

五十嵐 そう。

津崎 最善というのは、最も良いこと、最も美しいこと、最も素晴らしいこと。でも、幸福であるというのは「最善」とまで言ってもいいかどうか。

五十嵐 え、ダメなの?

津崎 パスカルという人物――彼を哲学者とするかどうかは大問題だけど――、17世紀のフランスで、気圧とか真空とかを研究した人がいるでしょう?

五十嵐 ヘクトパスカル。

津崎 そう、ヘクトパスカルのパスカル。「ヘクト」は苗字でもなんでもなくて、単位のこと〔メートル法における単位名の接頭辞で、基本単位の100倍であることを表す〕。

 そのヘクトパスカルのパスカルは、「人は不幸から逃れている」と言っている。


●パスカルもフロイトも幸福には懐疑的?


津崎 あるいは、フロイトは「人は幸福を求めて病になる」と言う。

 パスカルは「人は不幸から逃れている」と言うし、フロイトは「人は幸福を求めて病になる」と言う。フロイトがそう考えているのは神経症のことだけれども、つまり……。

五十嵐 それって、同じこと?

津崎 一応、分けて考えなきゃいけないけれども、「幸福とは最高善だよね」というアリストテレスのさっぱりした清々しい世界観から比べると、なんかこう緑青したたるというか。

五十嵐 パスカルとフロイトで似ているなと思うのは、パスカルが「人は不幸から逃れている」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
小澤開作と満洲事変・日中戦争(2)朝鮮人への迫害と闘う
「万宝山事件」朝鮮人を迫害から救うべく決起し、満洲事変へ
小澤俊夫
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
小宮山宏
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(2)金本位制復活の現実味
金本位制復活の可能性は?…ネックは量の操作性、柔軟性
養田功一郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(5)陸軍悪玉論の中の名将たち
武力を持ったエリート官僚たち…陸軍悪玉論と個々人の決断
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎