「幸福とは何か」を考えてみよう
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「幸福とは何か」を考えてみよう(2)幸せは、どこで感じますか
第2話では幸福の感じ方やそれを測る尺度について、二人の哲学講師の話がはずむ。エピクロスが言うように自己充足が幸福であるならば、他者の存在は必要ないのか。社会的に無力な人の幸福とは何か。(全9話中2話)
時間:10分41秒
収録日:2020年3月19日
追加日:2020年8月7日
≪全文≫

●「今、感じる」ことの快楽


津崎 冒頭の話に戻るんだけど、多分「幸せとは何か」と論じていない哲学者はいないと思う。

五十嵐 うん。

津崎 みんな多かれ少なかれ、なんらかの言葉を使って幸せの追究をしていて、不思議なことに結構意見が一致している場合もある。

五十嵐 どういうこと?

津崎 ラッセルとかエピクロスみたいに、「自己充足していることが重要である」と。

五十嵐 でも、ラッセルとエピクロスはちょっと違うなと。聞いていて思ったのは、エピクロスは心地いいことを‥‥。

津崎 快楽。

五十嵐 その「心地いい」というのは、感じることでしょ。

津崎 そう。

五十嵐 感じるって、「今、感じる」ことだと思うんだけど、普段いろんな人が言っていることを聞くと、「○○になりたい」とか、「お金持ちになりたい」とか。

津崎 未来のこと。

五十嵐 そうそう。だから未来のことに幸せを置いちゃっている。

津崎 過去もあるよね。「あのときはよかったな」とか。

五十嵐 そうそう。そういうふうに考える人って、今、何を感じているかというと、ずーっと「なんか足りない」。「前は幸せだったけど、失ってしまった」とか、「将来幸せになりたいけど、今はまだない」とか、「ない状態」で今日も明日も明後日もずーっと生きているということで、それは、エピクロスが考えているようなこと(エピクロスは読んだことないけど)とは、どこか違うんじゃないかと。

 今、わたしが感じていること、例えば「空気が気持ちいいな」とか、「マイクとお話しして楽しいな」とか、いろんなことがあるけれど、それは今しかないわけだから、それを今、自分がどう感じているかということをもっと大事にする。例えば、お肉を食べていて、「このお肉よりもサーロインステーキのほうが本当はよかった」とか「サーロインステーキを食べられるようになりたい」とかじゃなくて、「このお肉の味が心地いいかどうか」ということをもっと丁寧に感じていくほうが、快楽につながるんじゃないかと思って。


●「幸福」を論じるいくつかの切り込み方


津崎 たしかに。今、さっちゃんと話していて、幸せを(ちょっと難しい言い方すると)「論じる」ときに、いくつか切り込み方があるなと。今までさっちゃんと話してきたなかに出てきた切り込み方の一つとして、「時間」があるよね。過去、現在、未来...

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