「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
幸せになるための条件は4つに集約することができる
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(3)自己実現と成長の「やってみよう因子」
前野隆司(武蔵野大学ウェルビーイング学部長・教授/慶應義塾大学名誉教授)
日本人を対象としたアンケートに基づく研究によれば、幸せの源泉は4つの因子に集約することができるという。その1つ目が、「やってみよう因子」という自己実現と成長の因子である。自分の仕事などに対して、やらされ感ではなく、やりがいをもって取り組むことが幸福度に大きく関係する。そして、それが生産性や創造性の向上につながることを、ドラッカーのレンガ積み職人の話や企業での実例を挙げながら解説する。(全7話中第3話)
時間:11分21秒
収録日:2020年7月1日
追加日:2020年8月18日
≪全文≫

●幸せには長続きしない幸せと、長続きする幸せがある


 さて、私の研究に少しずつ移っていきたいと思います。これも重要な点ですが、幸せには長続きしない幸せと、長続きする幸せがあるという研究結果があります。長続きする幸せとしない幸せでは、長続きするほうがいいですよね。

 それでは、具体的には長続きしない幸せとは何でしょう。スライドに示したように、「地位財」が長続きしない幸せです。地位財(positional goods)とは、ロバート・フランク氏が提唱した経済学用語です。これは、周囲との比較により満足を得られる財のことを指します。より具体的には、所得や社会的地位、物的財が挙げられます。簡単にいうと、金・物・地位の三つです。金銭欲や物欲、名誉欲は誰しもが持っていると思います。ところが、この欲求を満たしたことによる幸せは持続性が低い、つまり長続きしないことが分かっています。

 例えば、給料が増えるとうれしいですが、その喜びは1年も続くことはあまりありません。むしろ、もっと上がるといいと思うでしょう。また、例えば課長に昇進した場合でも、1年間喜んでいる人はいません。重圧もあれば、もっと偉くなりたいという欲求も出てくると思います

 どういうことかというと、地位財をある程度得たとしても、その状態に慣れてしまうので、そうなるともっと上のもの、大きいものが欲しくなります。しかし、より大きな財を得ても、先ほどの限界効用逓減の法則があります。最初は、財を得ることで幸せは大きく上昇します。初めて平社員から主任に昇進したときには、ついに主任になったと喜びますが、課長から副部長に昇進しても、周りも出世していて、まだまだだと思ってしまいます。お金や出世による地位の上昇から得られる幸せは、増えるにつれてより幸福度に寄与しなくなることが一つあります。もう一つの理由として、より上を見ると、さらに次が欲しくなるという効果で、長続きしないといわれています。

 一方で長続きする幸せは、ここに書いたように環境・身体・心の幸せです。Well-beingの定義として、精神的・身体的・社会的に良好な状態が挙げられていました。環境、つまり社会的に良い状態にあること。そして身体的に良い状態にあること、心が良い状態にあることが、長続きする幸せのために重要なことなのです。金・物・地位などの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(2)良き対話のための「問い方」の技法
良き対話のための「問い方」の技法とは?…ソクラテス流に「YES、NO」で答えさせ、お互いの考えを確認して進む
納富信留
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎