「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ
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「なんとかなる因子」を高めるには「ありがとう因子」が重要
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(5)前向きと楽観の「なんとかなる因子」
前野隆司(武蔵野大学ウェルビーイング学部長・教授/慶應義塾大学名誉教授)
幸せになるための3つ目の因子は、「なんとかなる因子」だ。「なんとかなるさ」と楽観的に考えて自己受容を高めることで、幸福度は高まる。しかし、遺伝子的に見ても日本人は心配性になりやすい傾向があることが分かっている。そして、現代の日本社会は個人主義に寄り過ぎている。よって、日本は集団主義的に支え合う文化に立ち返ることが重要である。(全7話中第5話)
時間:8分13秒
収録日:2020年7月1日
追加日:2020年9月1日
≪全文≫

●第3の因子は、前向きと楽観の「なんとかなる因子」


 3つ目は、「前向きと楽観の因子」、あるいは「なんとかなる因子」です。自己受容できている人は幸せと書いてありますが、自己受容とは自分の長所も短所も全てひっくるめて好きであることを指します。自己受容できていない人は、自分の短所が気に入らない、あるいは自分の長所も認めず、「自分なんて駄目だ」を思ってしまう人です。

 自己受容と幸せの間の相関関係も非常に強く、特に「なんとかなる因子」との相関が高いのです。自分の苦手な部分や欠点も好きであれば、人と助け合えばなんとかなる、自分は欠点はあるけどなんとかなると思うし、実際になんとかなることも多いですよね。

 具体的な例を挙げると、例えば私には気が利かないという欠点があります。「もう少しきちんとお礼をいっておけばよかった」などと思うことが多いのです。その理由を考えると、一つのことに集中しすぎてしまうということがあります。気が利かないのは欠点ですが、裏を返せば集中力が高すぎて視野が狭くなりがちなのですね。その分、気配り目配りができなくなっているのだと思います。

 それでも、気が利かないことによって被る不利益は誠実に謝れば対処できます。集中力が高いことによるメリットもあるので、「みんな、気がつかなくてごめん」といえばいいと思うと、なんとかなるものです。「気が利かないからダメだ、他のことにも気をつけよう」と思ってしまうと、集中力というメリットまで弱くなってしまうではないですか。

 どんな欠点にも必ず裏側があります。逆に気配りができる人は、集中力が足りないかもしれません。集中力がないことが欠点だと思っている人は、集中力が足りない代わりに、メンバーに細かな気配りすることができる優しさを持っているかもしれません。例えば、時間を守れない人もいますが、同時にとてもおおらかな人で、細かいことは気にしない人かもしれません。そういう人は、イノベーションを起こせるかもしれません。

 全ての長所と短所は表裏一体なので、この前向きと楽観の因子とあるように、全て楽観的に、前向きに、ポジティブに捉えるといいのです。そうすると、楽観的になって、なんとかなるという気持ちになります。2つ目の、楽観的でポジティブという点は、このことを指しています。


●細...


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