「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「なんとかなる因子」を高めるには「ありがとう因子」が重要
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(5)前向きと楽観の「なんとかなる因子」
前野隆司(武蔵野大学ウェルビーイング学部、学部長)
幸せになるための3つ目の因子は、「なんとかなる因子」だ。「なんとかなるさ」と楽観的に考えて自己受容を高めることで、幸福度は高まる。しかし、遺伝子的に見ても日本人は心配性になりやすい傾向があることが分かっている。そして、現代の日本社会は個人主義に寄り過ぎている。よって、日本は集団主義的に支え合う文化に立ち返ることが重要である。(全7話中第5話)
時間:8分13秒
収録日:2020年7月1日
追加日:2020年9月1日
≪全文≫

●第3の因子は、前向きと楽観の「なんとかなる因子」


 3つ目は、「前向きと楽観の因子」、あるいは「なんとかなる因子」です。自己受容できている人は幸せと書いてありますが、自己受容とは自分の長所も短所も全てひっくるめて好きであることを指します。自己受容できていない人は、自分の短所が気に入らない、あるいは自分の長所も認めず、「自分なんて駄目だ」を思ってしまう人です。

 自己受容と幸せの間の相関関係も非常に強く、特に「なんとかなる因子」との相関が高いのです。自分の苦手な部分や欠点も好きであれば、人と助け合えばなんとかなる、自分は欠点はあるけどなんとかなると思うし、実際になんとかなることも多いですよね。

 具体的な例を挙げると、例えば私には気が利かないという欠点があります。「もう少しきちんとお礼をいっておけばよかった」などと思うことが多いのです。その理由を考えると、一つのことに集中しすぎてしまうということがあります。気が利かないのは欠点ですが、裏を返せば集中力が高すぎて視野が狭くなりがちなのですね。その分、気配り目配りができなくなっているのだと思います。

 それでも、気が利かないことによって被る不利益は誠実に謝れば対処できます。集中力が高いことによるメリットもあるので、「みんな、気がつかなくてごめん」といえばいいと思うと、なんとかなるものです。「気が利かないからダメだ、他のことにも気をつけよう」と思ってしまうと、集中力というメリットまで弱くなってしまうではないですか。

 どんな欠点にも必ず裏側があります。逆に気配りができる人は、集中力が足りないかもしれません。集中力がないことが欠点だと思っている人は、集中力が足りない代わりに、メンバーに細かな気配りすることができる優しさを持っているかもしれません。例えば、時間を守れない人もいますが、同時にとてもおおらかな人で、細かいことは気にしない人かもしれません。そういう人は、イノベーションを起こせるかもしれません。

 全ての長所と短所は表裏一体なので、この前向きと楽観の因子とあるように、全て楽観的に、前向きに、ポジティブに捉えるといいのです。そうすると、楽観的になって、なんとかなるという気持ちになります。2つ目の、楽観的でポジティブという点は、このことを指しています。


●細...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(32)哲学者たちが考えた平和追求
反EU、反国連の時代に再考!「哲学者たちの平和追求」
テンミニッツ・アカデミー編集部
逆境に対峙する哲学(3)修行・物語・語りの転換
武士道に学ぶ自己訓育――幻想としての順境に抗するために
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
武闘派・秀吉として出世…織田家中で一番の武略者の道
黒田基樹
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(2)コンピュータの歴史
量子コンピュータの転機となった1990年代の発見とは何か
武田俊太郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫