「幸福とは何か」を考えてみよう
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「ありがとう」と言うしかない人が教えてくれたこと
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「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
筑波大学では、身近なテーマについて哲学者を交えて話し合う「ソクラテス・サンバ・カフェ」(通称「哲学カフェ」)が毎月開かれている。中学生以上の一般市民ならだれでも参加でき、高校や中学校への「出前」も行われてきた。今回は二人の哲学講師に、テンミニッツTVの動画を通じて、「哲学カフェ」の雰囲気のもと、「幸福」について語り合っていただいた。(全9話中第1話)
時間:11分39秒
収録日:2020年3月19日
追加日:2020年7月31日
≪全文≫

●「幸福」について考えるのは難しい


津崎 皆さん、こんにちは。筑波大学でフランス哲学の教育と研究をしております津崎良典と申します。テンミニッツTVでは、すでにデカルトについて何回かお話したことがありまして、今日は同僚の五十嵐沙千子先生とご一緒に、「幸福(しあわせ)」について皆さんと考えていきたいと思います。

五十嵐 筑波大学人文社会系の五十嵐沙千子と申します。専門にしているのは現代思想で、ハイデガーとかハーバーマスとか、それから哲学カフェを中心に研究しています。津崎先生とは仲良しで。

津崎 そう。仲良くしてもらっています。

五十嵐 今日はご一緒にお話ができるというので楽しみにしてきました。よろしくお願いいたします。

津崎 ご紹介にもありましたが、五十嵐先生はドイツの哲学がご専門で、わたしはフランス。ということで、ライン川を挟んで隣同士の国です。

五十嵐 ときどき戦いますよね。

津崎 ときどき。でも、基本的に仲良くやってきている国の哲学が、各々の専門になっています。今日は、「幸福について話してほしい」というお題をいただいたわけだけれど、困るよね(笑)。

五十嵐 なんで、ですか。

津崎 どの哲学者をとってもそうだけど、例えばセネカという古代ローマの哲学者がいます。彼は文字どおり『幸福な生について』という本で、「幸せな生とはいったい何だろうか」と書いている。そのなかで言っているのが、「人はみな本性的に(生まれつき)幸せになることを求めている。でも、『一体幸せとは何なのか?』と問うた途端、それはあいまいになってしまう」。だから難しい、ということです。結局、みんな幸せになりたいと思っているのだけれど、何が幸せなのかには一つの答えがない。そういう意味で難しい。


●「幸せじゃない」から「幸せになりたい」のか


五十嵐 なんで「幸せになりたい」と思うんでしょうかね。「幸せじゃない」と自分のことを思うわけですけど、なんで自分は幸せじゃないっていうデフォルト(前提)で話すんでしょうね。

津崎 幸せって、変な話だけれど、何かが欠落してなきゃいけないわけでしょう。欠落しているからこそ、そうではない状態になりたい。つまり、幸せになりたいということは、実は自分たちはその反...

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