プロジェクトマネジメントの基本
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
大塚有希子(法政大学専門職大学院イノベーションマネジメント研究科准教授)
3.PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方
2025年12月10日配信予定
4.スケジュール管理で重要な「クリティカル・パス法」とは
2025年12月11日配信予定
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2025年12月11日配信予定
5.タイトル未定
2026年2月2日配信予定
6.タイトル未定
2026年2月2日配信予定
7.タイトル未定
2026年2月3日配信予定
8.タイトル未定
2026年2月3日配信予定
9.タイトル未定
2026年2月13日配信予定
10.タイトル未定
2026年2月14日配信予定
「プロジェクトはとても複雑だ」「不確実である」といわれるが、それはなぜか。イノベーションとエンジニアリング、モジュールとインテグラル、オープンとクローズドという対立項をかけ合わせてプロジェクトが成立するからだ。では、何をマネジメントすればいいのか。「タイム」と「コスト」と「スコープ」というプロジェクトの三大制約条件を提示して、顧客満足につながる品質マネジメントについて解説する。(全10話中第2話)
時間:7分56秒
収録日:2025年9月10日
追加日:2025年12月4日
収録日:2025年9月10日
追加日:2025年12月4日
≪全文≫
●プロジェクトの複雑性を分析する
さて、プロジェクトはとても複雑です。どんなプロジェクトが複雑なのかというお話を少ししたいと思います。
例えば、ここで縦軸に書いているのは「イノベーション」と「エンジニアリング」で、新しいものをつくり出すプロジェクトと既存の技術を使ってそれを改変するようなものを比べると、イノベーションプロジェクトのほうが難しく、複雑性が高い。
それから、左右(の軸)でいうと、左側が「組み合わせ」、右側が「すり合わせ」で、「モジュール」と「インテグラル」といったりします。決まった部品を組み合わせるものと、自動車や精密機械のように歯車が噛み合って働きをするものでは、歯車が噛み合うほうが難しい。
そして、「オープン クローズド」というように矢印が描いてあります。世間に知られているような一般的なものと、自分の会社オリジナルのものだったら、自分の会社オリジナルのもののほうが難しい。
例えば4畳半というと、日本全国どこでも同じです。そして4畳半の部屋をつくるというと、ドア、窓、それからクローゼットなどについても部品が全部、既製品で揃っています。それらを組み合わせてつくればいいわけです。しかし、「うちの家は建築士さんにお願いして、天井高が325センチあります」というような、少々変わった家を建てる場合には、それに合わせてドアもつくらなければいけない、窓もつくらなければいけない、クローゼットもつくらなければいけない。「ドアと建具に何か隙間があるんだけれど…」などということも起こりかねません。このように、その会社独自のものに合わせようとすると、とても難しくなります。
特に日本の場合は雇用の流動性が少ない。つまり転職する人が欧米に比べて少ない社会ですから、どうしてもクローズドのものが増えてきます。自分の会社独自のやり方、自分の会社独自のプロセス、自分の会社独自のシステム、カスタマイズ。だから、けっこう難しくなります。製造・プラント等の要求の追加変更は10~20パーセント、ITプロジェクトや業務改革など目に見えないものについての要求の追加変更は30~40パーセントというように、やはり少し難しい、(つまり)複雑です。そういうものをマネジメントしていくわけです。
●プロジェクトの複雑性を分析する
さて、プロジェクトはとても複雑です。どんなプロジェクトが複雑なのかというお話を少ししたいと思います。
例えば、ここで縦軸に書いているのは「イノベーション」と「エンジニアリング」で、新しいものをつくり出すプロジェクトと既存の技術を使ってそれを改変するようなものを比べると、イノベーションプロジェクトのほうが難しく、複雑性が高い。
それから、左右(の軸)でいうと、左側が「組み合わせ」、右側が「すり合わせ」で、「モジュール」と「インテグラル」といったりします。決まった部品を組み合わせるものと、自動車や精密機械のように歯車が噛み合って働きをするものでは、歯車が噛み合うほうが難しい。
そして、「オープン クローズド」というように矢印が描いてあります。世間に知られているような一般的なものと、自分の会社オリジナルのものだったら、自分の会社オリジナルのもののほうが難しい。
例えば4畳半というと、日本全国どこでも同じです。そして4畳半の部屋をつくるというと、ドア、窓、それからクローゼットなどについても部品が全部、既製品で揃っています。それらを組み合わせてつくればいいわけです。しかし、「うちの家は建築士さんにお願いして、天井高が325センチあります」というような、少々変わった家を建てる場合には、それに合わせてドアもつくらなければいけない、窓もつくらなければいけない、クローゼットもつくらなければいけない。「ドアと建具に何か隙間があるんだけれど…」などということも起こりかねません。このように、その会社独自のものに合わせようとすると、とても難しくなります。
特に日本の場合は雇用の流動性が少ない。つまり転職する人が欧米に比べて少ない社会ですから、どうしてもクローズドのものが増えてきます。自分の会社独自のやり方、自分の会社独自のプロセス、自分の会社独自のシステム、カスタマイズ。だから、けっこう難しくなります。製造・プラント等の要求の追加変更は10~20パーセント、ITプロジェクトや業務改革など目に見えないものについての要求の追加変更は30~40パーセントというように、やはり少し難しい、(つまり)複雑です。そういうものをマネジメントしていくわけです。
●何をマネジメントするのか――タイムとコストとスコープ...
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