企業改革の核心は何か
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
三枝匡(株式会社ミスミグループ本社名誉会長、第2期創業者)
ターンアラウンド・スペシャリスト(事業再生専門家)として、コマツ産機をはじめ数々の企業再生を成し遂げ、またミスミグループの経営にも長年あたってこられた三枝匡氏。今回は特に著書『V字回復の経営(増補改訂版)』の内容を中心に、企業改革の核心は何かについて話を聞く。第1話では、企業が「自然死的衰退への緩慢なプロセス」に入ってしまった場合の対処に迫る。大企業の場合、経営が傾いてから倒産に至るまでに10年~20年の時間がかかることが多い。だがその過程では、社員はなかなか真の危機感を抱けない。気づいたときには「手遅れ」ということにもなりかねないのである。では、どうすれば良いのか?(全2話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:14分38秒
収録日:2020年11月9日
追加日:2021年2月17日
≪全文≫

●火がついてきたときには、会社はもう「終わり」


―― 三枝匡先生の『V字回復の経営――2年で会社を変えられますか(増補改訂版)』(日本経済新聞出版)は、完璧な名著ですよね、一冊で。ターンアラウンド(事業再生)で、勝てる勝負の場所に持っていってしまう。これは、すごいことです。

三枝 それはやはり、それまでの経験があって、(企業の)病気を見たり、経験したりしているからです。だから、よく言うのですが、窓が「パッ」と少しだけ開いたときに、向こうに見える景色の中に、あってはいけないものがある。あってはいけないものがあって変なのか、本当はあるべきものがないのか、なくていいものがあるのか。そういう異常を、会社の中で歩いていてパッと通り過ぎたときに、ハッと気づけるかどうかが、経営者の腕なのです。

 (経営者は)自分で直接なんかできません。しかし、「ちょっと小耳に挟んだ」とか「誰かと冗談で話していたら、何か変なこと言ったな」とかいうことがある。それがつまり、「(ドアが)パッと開く」ということです。それで、「あるべきものがそこにない」あるいは「あってはいけないものがそこにある」というようなことに気づいたら、もうドアはすぐに通り過ぎて閉まってしまいますから、すぐに入っていって、近づいていって、「どうなっちゃっているの」と聞くわけです。

 そういうときは、もう自分のほうから、上の人間が自ら、ずかずかずかと入っていく。どんなところであろうが、もう社長ですから偉いのですから、どこでも入れますから。行って、「これ、何?」などと聞くわけです。

 それで、実は、自分が「何かおかしいな」と検知したつもりが別に異常はないと思えば、さっさと引き上げる。「あ、やっぱり変だと」思えば、「これは何だ?」ということになる。それが重要な問題だったら自分が直接入っていく。そのような行動になっていくわけです。

 だから、そういうものに気づいて、まだ会社が元気なうちに、つまり、会社としての選択肢がいろいろありうるときに、そういうことができる経営者がやっていたら、早め早めにそういう問題が直され、フィックスされていって、会社っていうのは元気でいつづけられるわけです。しかし、ダメになる会社は、それに気づく経営者がいない。気づいたとしても動く人がいない。放っておく。そういうことをやっていると、だんだん、だんだん、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔

人気の講義ランキングTOP10
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
AI時代と人間の再定義(7)AIと倫理の問題と法整備の可能性
人間のほうがAIに寄ってしまう?…関係性と倫理のあり方
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(10)未来への智慧と希望
「未来応化=どんな未来も大丈夫」…ブレない臨機応変の力
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄