失敗する日本企業の構造と改革への宿題
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
トップと現場では求められるマネジメント能力が違う
失敗する日本企業の構造と改革への宿題(3)マネジメント能力の重要性
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
企業における全体的な調整や大きな方向転換は、現場の調整力が長けていればできるというものではない。そこはトップマネジメント能力が必要となる。人材育成のあり方として、若い世代には小さい会社でいいので早い段階でトップマネジメントの経験を積んでおくことが、将来大きな会社でそれを行ううえで大事なことである。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分03秒
収録日:2020年11月18日
追加日:2021年1月9日
≪全文≫

●トップマネジメントとミドルマネジメントでは求められる資質が違う


―― そうなると、必要になる人材像というのは、どういうイメージになるんでしょうか。

柳川 必要な人材像は、やっぱりそういう大きな全体の最適、あるいは全体の方向転換みたいなことをしっかりマネージできるマネジメント層ですね。やっぱりここが、ずっといわれていることだと思うんですけど、日本には欠けていますし、日本がこれからやっぱり力を入れていくべき分野なんだろうと思いますよね。

―― 前回、戦時中の例をお話しになりましたが、あの当時から現場は強いけれど、いわゆる戦略が下手くそというか、なっていないと言われました。逆に考えると重要なのは、戦略における全体設計というかプロジェクトマネジメントというか、全体を見て大きな方針を打ち出す人材をどう育てていくかというところだと思います。

 少し考えてみると、例えば現場レベルでの調整ができる人であれば、なんとなくそういうことは分かるのかなというのがこれまでの日本の考え方でした。つまり、そういうことをやっているうちに全体観をつかんできたら、事業部なりの枢要なポストを任されて、やがて経営陣に入っていくというのがこれまでの日本の流れだと思います。

 そうしたこれまでの日本の流れで足りない部分というか、むしろそれがマイナスになっている部分はどういうところなのでしょうか。

柳川 場合によると、ある部門にずっといて、その部門の長をした後すぐトップになって全体調整をしなきゃいけないというようなことが人事に関しては、割と多くの会社で起こってきていることです。しかし、全体の調整とか大きな方向転換のようなことをマネジメントした経験がなく、個別の事業部内での調整しか経験したことがないと、そこはなかなか難しいと思います。

 ここには二つのポイントがあります。一つ目ですが、ベーシックな話からすると、日本人だけでもないのかもしれませんが、特に日本について思うのは、「優秀な人はなにをやっても優秀だ」という感覚があることです。だから、現場で優秀な人はマネジメントも優秀なはずだし、部門長をやれた人はトップもやれるはずだという、こういう感覚があるんだと思うんです。しかし、これは必ずしも正しくないと思うんですね。それぞれに特性があったりしますし、その仕事を経験していないと、他のところで優秀で...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(4)新規事業成功のポイント
新規ビジネスの立ち上げ方、伸ばし方、見切り方の具体例
水野道訓
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
齋藤純一
印象派とは~画家たちの関係性から技法まで(4)マネとモネの《草上の昼食》
マネの《草上の昼食》が問題に…スキャンダルの真相とは
安井裕雄
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩