ヒューマンエラーと経営戦略
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ヒヤリハットを収集する際に注意すべき点とは?
ヒューマンエラーと経営戦略(4)中間管理職の役割
岡田有策(慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授)
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、お客さまのヒヤリハットを収集する際に注意すべき点について解説する。中間管理職の役割は、レピュテーションリスクの大きさに合わせてヒヤリハット対策を練り、クレームや苦情を現場のプラスになるように翻訳することである。安全の考え方を経営戦略の選択肢の一つとして捉えることが重要だ。(全10話中第4話)
時間:10分33秒
収録日:2017年9月1日
追加日:2018年2月16日
≪全文≫

●対策を打つよりも、まずはたくさん事象を集めよ


 さらに、気を付けるべき点がいくつかあります。第1に、お客さまにとってのヒヤリハットをたくさん集めても、その全てに対策ができるわけではありません。しかしだからといって、集める事象を少なくする必要はありません。対策を打たなくてもいいから、どんなことがお客さまの気になることなのかを、情報として係員がシェアすることが、ものすごく役に立ちます。

 どんな人でも、能力や仕事は95点です。それぞれに、色々な部分が足りません。だからこそ、ヒヤリハットを集めれば集めるだけ、95点の不足を補っていくためのヒントが得られるのです。また、ヒヤリハットの対策は社員全員に聞かなければいけない、という勘違いもよくあります。しかし、そうではありません。100人の社員がいれば、2人の情報が参考になるだけで十分です。95点の残りの5点がどのようなものかは、人によって違うわけですから、ヒヤリハットの使い道も人によって違ってきます。みんなが役に立つヒヤリハットなんて、これこそ神業です。

 したがって、対策を打つことよりも、まずはたくさん事象を集めることです。100個なり1,000個なりのヒヤリハットの中から、各人が自分にとってヒントになるものを見出せばいいのです。レピュテーションリスクに関していえば、そのリスクをそれぞれが理解するようになれば十分でしょう。自分の仕事から見たときに、レピュテーションリスクになるものは何かを考えるのです。他者の情報、他者が集めてくれたヒヤリハットの中から、これを考えていくということが、まず重要になってきます。


●ポイントは、自分たちで決めないということ


 第2に、ヒヤリハットというと、その全てに対策を打たなければいけないようなイメージがありますが、しかし、ここでもレピュテーションリスクが効いてきます。リスクには強弱があります。したがって、リスクの大きさに合わせて、つまり、より多くのお客さまにより大きな悪いインパクトを与えるものから、対策を打てばいいのです。マネジメントする人は、レピュテーションリスクの大小を評価して、ヒヤリハットの大きいものだけに対策を打つようにし、それを係員に定着させて、現場の次の活動につなげていくことができるでしょう。

 その際、ポイントになるのは、自分たちで決めないということです。自分たちだけで考えてし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
企業改革の核心は何か(1)組織の危機をいかに克服するか
V字回復のためには社員に「個人の痛み」を迫る覚悟を持て
三枝匡

人気の講義ランキングTOP10
高市政権の進むべき道…可能性と課題(3)外交への懸念と経済復活への提言
「強い経済」へ――実現への壁は古い日本と同調圧力!?
島田晴雄
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
インフレの行方…歴史から将来を予測する(4)10年後の物価…5つのシナリオ
5つのシナリオ分析…10年後の日本の物価水準はどうなる?
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
伊藤博文暗殺…日本近代化で本当にいいことがあったのか
與那覇潤
ポスト国連と憲法9条・安保(2)有志多国籍軍と西側同盟の可能性
国連改革は可能か…残されているのは「西側同盟」の可能性
橋爪大三郎