ヒューマンエラーと経営戦略
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
目先の利益と10年後の会社への投資を分けて考える
ヒューマンエラーと経営戦略(8)質疑応答編2
岡田有策(慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授)
「良い仕事」をするための、金銭以外のモチベーションとは何か? エラーを避けるためにリスクを取ろうとしない社員に対して、管理職はどのように対応すればいいのか? 慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、講演後の質問に答える。岡田氏によれば、目先の利益と10年後の会社への投資とを分けて考えなければならない。(全10話中第9話)
時間:10分21秒
収録日:2017年9月1日
追加日:2018年2月24日
≪全文≫

●公共サービス的なレピュテーションを上げていく


質問 先生は以前、リスクを冒して三遊間のゴロを捕球する必要があるとおっしゃっていました。「良い仕事」をするためには、金銭ではないモチベーションとして、どのようなものがあるのでしょうか。

岡田 リスクを冒してでも、三遊間のゴロを取りに行くべきだとは、必ずしも思いません。これは、トップを含めて会社全体として、そういう社員と会社でありたいのか、それとも、下手なことをせずに堅実に商売をしたいのかによります。したがって、トップマネジメントの方針に沿うように、社員教育を考えていくべきでしょう。エラーについても、何をエラーと見るかは、その会社全体の考え方や立ち位置で決まってきます。

 次に、「良い仕事」のモチベーションについてですが、正直に言えば、それをお金で見ても構いません。リスクを取りにいく会社のインセンティブは、お金でもいいと思います。というのも、リスクを取るのは、もうけるためですから。

 しかし、リスクを取りにいけない、ある程度成熟した産業の中でどのように生き残っていくかを考えるなら、話は別です。確かに1960年代の高度成長期には、ちょっと先のゴロを取るだけで、給料が何倍にもなりました。今でもITベンチャーであれば、会社の成長と自分の給料がセットになっているので、おそらくここ5年ぐらいまでは、リスクを取りにいけば給料も上がるでしょう。ITベンチャーや戦略コンサルに勤める人のインセンティブは、金銭でも構わないわけです。

 しかし、日本の8割の企業は、会社の売り上げもこれ以上上がらない中で、どれだけ現状の市場を維持していくかが問題になっています。だとすれば、そこでリスクを取りにいけと言っても、取りにいけません。取りにいった先に利益はなく、社員の給与上昇も見込めないからです。こうした状況では、金銭はインセンティブにはなり得ません。

 特に今後考えなければいけないのは、公共サービスです。日本では、公共サービスが非常に重要な位置を占めています。これがなければ、産業は成り立ちません。しかし、公共サービスに対する評価は、極めて低くなっています。そこで働いている人たちがインセンティブを持つためには、お金ではない形で考えていく必要があります。ここで地域貢献や社会貢献が浮上するのです。

 レピュテーションもその一環です。金がもうかる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
真理は平凡の中にある
感動した言葉は野球部監督の「あいさつは野球より難しい」
上甲晃
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(9)ウェルビーイングと東洋思想
ウェルビーイングを東洋思想でどう考えるか?…大事な二つの教え
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子