ヒューマンエラーと経営戦略
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安全管理をレピュテーションリスクとして考える重要性
ヒューマンエラーと経営戦略(3)レピュテーションリスク
経営ビジネス
岡田有策(慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授)
慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の岡田有策氏が、安全管理をレピュテーションリスクとして考えることの重要性について解説する。安全に関する社員教育が難しくなる中で、ハインリッヒの法則のヒヤリハットが注目を集めている。しかし、そこには大きな誤解があると岡田氏は指摘する。お客さま目線でヒヤリハットを考えることこそが重要だ。(全10話中第3話)
時間:11分42秒
収録日:2017年9月1日
追加日:2018年1月24日
≪全文≫

●安全とは、レピュテーションを下げないということだ


 これまで、安全とは何か、良い仕事とは何かを考える際に、お客さまが利用したくなるということが重要だということをお話しました。特に「利用したくない」をいかに下げていくかということが、安全の本質です。エラーだけを取り上げるのではなく、自分たちの本来の業務を考えて、より良い仕事をしていくということが、本質的なエラー対応活動になります。

 今回は、それをもう少し別の観点で見ていきます。具体的に「良い仕事」につなげていくためには、何がポイントになるでしょうか。その一つが、「レピュテーションリスク」です。

 レピュテーションとは、日本語でいう「評判」の意味です。レピュテーションマネジメントという言葉も、十数年前からマネジメントの世界で使われてきました。その場合、レピュテーションは良い意味で用いられています。つまり、ブランドと同じで、例えばポテトチップの評判が上がったから商品が売れるようになったとか、有機栽培のジャガイモを使った新商品がおいしいといったように、「レピュテーションを上げる」という言い方で用いられています。評判が上がったためにお客さまが買いたくなる、あるいは店に行列ができているから並んでみようという形で、レピュテーションというのは、もともとはプラスアルファの意味合いでした。

 反対に、レピュテーションリスクとは、評判を落とすような要因を指します。そこで問題になってきたのが、どうやってレピュテーションリスクを下げるのかということです。レピュテーションリスクをもう少し拡大的に解釈すると、「乗りたくない」、「利用したくない」といった不安を指す言葉として使えるでしょう。本来の不安というのは、評判を落とすというレピュテーションリスクとして捉えた方が、概念的には適切だと思います。したがって、安全ということに関して考えるべきことは、レピュテーションを上げるということではなく、下げないということです。そこで、レピュテーションリスクをしっかりと見ていくことがポイントになってくると考えています。

 その意味で、スライドには1(安全とは)2(いい仕事をしていく)、3(レピュテーションを上げていく レピュテーションリスクを下げていく)、4(地域貢献)、5(成長戦略)と書いてありますが、これをつなげて考えていくことにしましょう...

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