失敗する日本企業の構造と改革への宿題
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
縦割り構造打破のポイントは全体のコーディネーション
失敗する日本企業の構造と改革への宿題(2)縦割り構造と現場の力
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
ものづくりにおいて注意すべきは、高い技術が顧客ニーズに応えているとは限らないということだ。技術進歩は重要だが、かつての日本の製造業がサービス産業的側面をもって製品を提供していたように、顧客が何を望んでいるのかを忘れてはならない。また、企業の縦割り構造もニーズオリエンテッドな製品、サービス開発の阻害要因となる。縦割り構造の全体コーディネーション機能が必要なのだが、今まで日本は現場レベルでこのコーディネーションをある程度うまく調整してきたと言える。(全4話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分23秒
収録日:2020年11月18日
追加日:2021年1月2日
≪全文≫

●かつて日本の製造業の強みはサービス産業的な部分にあった


柳川 それからもう一つ。今までも、特に日本の製造業の強みは実はものづくりそのものではなくて、極めてユーザーオリエンテッドな、ある種のサービス産業的な部分がある程度あったからだと言われています。

 これはもうずいぶん前なんですけど、牛尾治朗氏(ウシオ電機株式会社創業者)がまとめたレポートがあり、そこに書かれているのは「日本の製造業の強みは、サービス産業的な部分にある」ということです。顧客のニーズに合った製品を提供する。そこに前回のお話に出てきたようなカスタマイズの部分も含めて、とにかく相手(顧客)が何を望んでいるかをしっかり見極めて、それに合わせて製品を作っていくというところに強みがあったといわれているのです。

 ですから、今回のシリーズでお話ししているのは、ある部分ではかつて日本では相当できてきた部分なのだろうと思いますし、今でもそういうところがしっかりできている会社や製品というのは、強みを持っていると思います。

 そう考えてくると、ある段階までは顧客オリエンテッドな製品開発はかなり強く意識されていたということです。もちろん、そのときの顧客というのは一般の消費者というよりは卸先の企業という場合が多かったと思うんですけれども、そういうものが、少しずつウエイトが変わってきてしまい、開発者側の意見が強くなりすぎているという点は、今までの経緯を見ると分かるだろうに思います。


●縦割り構造はどこにでもある、打破のポイントはコーディネーション


―― そうなると、なぜ日本企業がそういう形になってしまったのかというところで、よくいわれるのが日本企業は縦割りで非常に厳しくて、横の連携というものがなかなかできなくて、その大事なところが抜けてしまうということではないかと。そこについては、いかにお考えですか。

柳川 そうですね。ある種今のような話は、例えば販売部門やマーケティング部門、製造部門や開発部門など、こういうところの連携がうまく取れるようになれば、マーケティング側からきたニーズを汲み取って製品を作るなり、開発をするという連携ができることにはなると思います。よって、そうした、それぞれの部門の縦割り構造が、より消費者ニーズに合った製品開発や研究開発を阻害しているという部分はあると思うんですね。

 政権全...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
プロジェクトマネジメントの基本(8)要求の分類と価値の提供
新規顧客を増やす作戦と顧客リレーションを高める方法
大塚有希子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
会計検査から見えてくる日本政治の実態(3)戦後初となる補正予算の検査
繰越金が4割も…戦後初「補正予算の会計検査」の実態
田中弥生
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹