本質から考えるコンプライアンスと内部統制
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めんどくさい?内部統制に対する誤解とリスク管理の本質
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(3)内部統制の基礎
國廣正(弁護士・国広総合法律事務所パートナー)
コンプライアンスとともに、今や企業の活動にとって不可欠なものとなっている「内部統制」。この言葉には堅苦しく、書類をたくさん作らなければいけないとか、チェックリストが増えるなど、面倒な作業が多いイメージがあるが、その内実は「仕組み」による企業のリスク管理のことで、経営者が行うものである。そこで今回は、内部統制の基礎について、似ているようで少し違う「コーポレートガバナンス」との関係にも触れながら説明する。(全6話中第3話)
時間:9分12秒
収録日:2023年1月16日
追加日:2023年5月17日
≪全文≫

●内部統制はめんどくさい?


 それでは第3回で、いわゆる内部統制について、基礎的なことからお話したいと思います。

 企業に勤めている人ならほとんどの人が内部統制という言葉を耳にしたことがあるかと思います。ですが、第1回でご説明したコンプライアンスと同じように、この言葉にもなんだか面倒くさそうな響きがあります。内部を統制する、なんだかがんじがらめにされるような感じがします。少なくとも、この内部統制という言葉を聞いて、元気になる人はいないのではないかと思います。

 内部統制に対する具体的なイメージとしては、たくさん書類を作らなければいけないだとか、チェックリストがどんどん増えていく、といったものでしょうか。現に、内部統制という名のもとで膨大な書類作りをやらされている会社も多いと思います。

 なぜこのような「内部統制」という言葉が生まれたのかというと、英語のインターナル・コントロール(internal control)の直訳なのです。インターナルとは企業の内部のことで、このリスクをコントロールする、要するにリスク管理のことです。企業にはいろいろなリスクがありますが、それを企業内部でコントロールすること。これが内部統制という考え方になります。


●内部統制とは仕組みによってリスク管理を行うこと


 では、内部統制とは一体何なのかについて、分かりやすい例を挙げながらお話していきましょう。

 リスク管理というものは、誰にとっても必要です。ビジネスだけで考えても、お父さんとお母さんがやっている魚屋さんだって、リスク管理が必要です。刺し身が日光にあたって腐らないようにとか、置いてある魚がネコに取られないようにとか、お釣りの受け渡しを間違えないようにとか、いろいろなことでリスク管理が必要になってきます。

 このように、全てのビジネスの主体にとって、リスク管理は必要なことです。では、内部統制の特色はどこにあるのかというと、企業に関するものであるという点にあります。

 先ほどの魚屋のおじさんとおばさんの場合は、魚を腐らせないようにしっかりとショーウインドーの温度管理などをして鮮度を確保すればいいし、お釣りを間違えないようにちゃんと帳簿をつければいいのです。泥棒ネコに取られないように、ネコが来たら追い出せばいい。ただし、このようなことが...

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