コンプライアンス

コンプライアンス（compliance）とは、一般的には法律や社会規範を守ることを指し、「法令遵守」と訳される。近年では、コーポレートガバナンスの基本理念の一つとして、企業が社会的規範やルールを守って活動すること、またその概念を意味するのが通例である。1990年代後半から、企業の法令違反を原因とする不祥事が相次いだことを背景に、法律の厳罰化、規制強化の意識が高まり、多くの企業がCSR（corporate social responsibility 企業の社会的責任履行）と共に非常に重視するようになった。商法、独占禁止法、不正競争防止法なといった企業活動に直接関係する法律のみならず、最近では個人情報保護法などに対しても、企業対応が求められている。「10MTVオピニオン」では、内閣府、消費者庁、経済産業省など公的機関の顧問、及び企業役員の経験豊富な弁護士・國廣正氏が、コンプライアンスの本質について一連の講義を担当。國廣氏は、コンプライアンスは押しつけられて行うものではなく、「なぜそうすべきなのか」という視点に立った企業戦略と一体になったものがその本来だとし、コンプライアンスの失敗例、成功例を具体的に挙げながら解説している。これらは、企業の「ものがたり」の必要性を説いた新しいコンプライアンス論である。