営業から考える企業戦略
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
オーバーアナリシス、オーバープランニングを「直観」で破る
営業から考える企業戦略(2)データより現場のリアリティ
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長/100年プランニング代表)
日本企業の不振の主な原因は3つある。「オーバーコンプライアンス」「オーバーアナリシス」「オーバープランニング」だ。企業の戦略において、現状分析と翌年の計画を立てるためにもデータは欠かせないが、分析のしすぎはおかしい。なぜなら、データは、過去の自分たちの行動の結果に過ぎないからだ。大事なのは、現場で無意識的に感じられるモヤモヤとしたものであり、そこから生み出される「直観」なのである。それこそが現場のリアリティであり、現場の創造性だと田村氏は強調する。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分42秒
収録日:2020年9月25日
追加日:2021年7月19日
≪全文≫

●過去の行動の結果にすぎない「データ」で将来を予測する愚


―― 少し話題を変えますが、先ほどおっしゃった「強みを伸ばす」ということに関してです。その商品のブランドについてもそうですが、「強みの補強」を実践していくにあたっては、本社が調査に入ったり、いろいろなリサーチをかけて、「こういうビールが求められているようだ」といったデータを取るなどして戦略を立てると思います。

 あるいは先生のご本(『キリンビール高知支店の奇跡』)にも、高知支店の調子が悪いときに、本社から「どこが悪いのか」とリサーチチームがやってきて、いろいろなデータを集めるというシーンがありました。

 なぜ、そのような調査と企画が――働く人からすれば、憧れをもたれるケースも多い部署ではありますが――うまくいかないのか、ということについて、どのようにお考えですか。

田村 世界的な経営学者である一橋大学の野中郁次郎先生が、日本企業の不振の原因は「オーバーコンプライアンス」「オーバーアナリシス」「オーバープランニング」だとおっしゃっていました。私が講演するとき、時々このワードを借りてお話しします。これが一番ウケます。皆が目を輝かすのです。

―― なるほど。

田村 眠たそうな人も、これを聞いてパッと目を覚まします。つまり、日本のビジネスマンが一番苦しんでいるのは、この問題なのです。「コンプライアンスのしすぎ」「分析のしすぎ」「計画のしすぎ」。これは共通認識ですね。

 なぜうまくいかないのか。分析というものは「データ」ですが、しかし時間は次々と移り変わっているので、どんどん過去のデータになります。キリンビールについても、翌年のプランがうまくいった試しがなかった理由の1つは、「過去のデータ」に基づいて翌年を予測しているからです。

 よく考えると、過去のデータというのは、過去のわれわれのアクションの結果にすぎません。自社も他社も、過去のアクション=行動の結果が数値として出ているわけです。それを基に将来を予測して、計画をつくっているわけです。これはおかしいのです。つまり、過去のわれわれの行動を基に、将来を決めているのです。

―― 特に1年前とか2年前というと、すぐ直近の話ということではありますが……。

田村 これはおかしいと思いませんか。

―― 新しいことやったらどうするのだということですか。

田村 そう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「ものがたり」のあるコンプライアンス(1)その本質とは
なぜ企業はコンプライアンスの本質から外れてしまうのか?
國廣正
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(3)組織のバランスが崩れる日
豊臣秀吉が暴君になるほど影響が大きかった弟・秀長の死
小和田哲男