生き続ける松下幸之助の経営観
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
経営者は経営に命を懸ける覚悟を持つべき
生き続ける松下幸之助の経営観(6)命を懸けて経営する
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
松下幸之助の考えは、どんなときも経営のことを頭から離してはならず、また、勝てば官軍という考えを経営に持ち込んではならない、というものだった。その考えを受け継いだ株式会社江口オフィス代表取締役社長の江口克彦氏が、命を懸けて経営に取り組むことと、人間性にかなったやり方で利益を上げることの重要性を説く。(2018年5月31日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「生き続ける松下幸之助の経営観」より、全12話中第6話)
時間:9分24秒
収録日:2018年5月31日
追加日:2018年11月14日
≪全文≫

●経営者は経営に命を懸ける覚悟を持つべき


 私は松下幸之助さんのことを23年間見てきましたが、経営や商売のことを松下さんほど本当に真剣に真正面から命を懸ける思いで考えていた人はいないと思います。私自身も、西宮のお茶室で心を許して遊ぶような者は、経営者たる資格はないと言われました。

 松下幸之助さんは、織田信長を引き合いに出して、信長は酒を飲んでいても敵国や隣国のことを片時も頭から離さなかっただろう、そうでなければ天下統一はできなかっただろう、それは経営者であっても同じことだ、と言いました。

 それは、ゴルフをしたり飲みに行ったりしてはいけないということではありません。ゴルフをやったり飲みに行ったりしていても、頭から商売や経営のことを外してはいけない、そういうことです。

 私自身もその2年後に経営者になるのですが、この時、驚いた松下幸之助さんの言葉を、後に実感することになります。10人の組織でも100人の組織でも10,000人の組織でも100,000人の組織でも同じことですが、組織の中で1人くらいは、経営のため、会社のため、社員のため、お客様のため、自分の命を落としてもいいというくらいの覚悟を持っていないと、組織は発展しません。言ってみれば、人生マイナス経営イコールゼロというような覚悟を持った人が必要なのです。

 これは言い過ぎだと思う人もいるかもしれません。しかし、そう思われるのも覚悟の上ですが、私自身はこのように思ってきました。ですから、心を許して遊ぶような者は経営者たる資格がないと、そういう松下幸之助さんの思いが、私に大きな影響を与えました。これは私が34歳の時の話です。


●勝てば官軍ではなく、人間性にかなったやり方で利益をあげるべし


 私が35歳の時の話をします。私が松下幸之助さんに報告をしていたら、当時松下グループの会社の専務をやっていた方が入ってきて、先に報告をさせてほしいと言ってきました。報告をした後、二人で雑談を始めたのですが、その方は、経営というものは、売り上げを伸ばして利益を上げて、いわば勝たなければどうしようもない、という話をしました。

 それに対して私は、その方は5歳くらい年上でしたが、反論をしました。私は相手構わず意見を言う方でして、松下幸之助さんにも自分の思ったことをぼんぼんと言っていました。ある意味では、それだから松下幸之助さんは私をかわ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(5)ヒラリーの無念と日米の半導体問題
大統領選が10年早かったら…全盛期のヒラリーはすごすぎた
島田晴雄
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
日本の財政と金融問題の現状(1)財政赤字の何が問題か
日本の財政は本当に悪いのか?将来世代と金利の問題に迫る
木下康司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二