生き続ける松下幸之助の経営観
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
松下幸之助は、禅問答を通じて経営を考えさせた
生き続ける松下幸之助の経営観(7)禅問答で考えさせる
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
松下幸之助は、禅問答を通じて部下に経営を考えさせていた。株式会社江口オフィス代表取締役社長の江口克彦氏はそう語る。松下幸之助はPHP研究所の経営を担当し始めた江口氏に、「わしの言う通りにやるんやったら、君は要らんで」と言った。この禅問答のような言葉は、今までの人とは違うやり方でやれというメッセージであった。(2018年5月31日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「生き続ける松下幸之助の経営観」より、全12話中第7話)
時間:7分54秒
収録日:2018年5月31日
追加日:2018年11月14日
≪全文≫

●PHP研究所の経営担当になった時のエピソード


 前回お話しした続きですが、その翌年の1976年4月23日に私は、PHP研究所の経営を担当するようにと指示を受けました。いったんは断ったのですが、松下幸之助さんがやってみろと言うので、お受けすることにしたのです。ですが、私がやってきたのはそれまで商業に関することばかりでしたので、経営のことも経理のことも営業のことも、大して知りませんでした。また、出版や制作、また研究活動のことも知らないという状態でした。

 ですから、私の前任者が松下幸之助さんに報告していたのと同じ仕方でやってみました。さらに、前任者は1カ月に1回、報告していましたが、私は多少なりとも松下幸之助さんに安心感を与えるために、1週間に1回のペースで報告をしていました。

 そこでは、今週は赤字ですと報告して、来週はまた頑張りますと言うのですが、頑張ると言っても結局、その次の週もまた赤字の報告をするわけですね。前任者の場合もそうでした。その時に松下幸之助さんは決まって、若い君たちが一生懸命にやって赤字を出しているのだから仕方がないということを言います。それで私の方は、すみませんと言って次の報告に移るのが常でした。

 その年6月の初めに松下幸之助さんに報告をした時のことです。いつも通りに赤字の報告をすると、君のところの若い人たちが一生懸命やってこういう結果になったのだから仕方ないとおっしゃるので、私の方も心も込めずにすみませんと言って、次の報告に移ろうとしました。

 その時、松下幸之助さんはベッドの上で正座をしていました。自分が横になっても目線が合うように、ベッドの高さに合わせた低い丸椅子があり、私はそれに座っていました。そこで、次の報告資料が床に置いてあったので、床からそれを取って次の報告をしようと思っていたら、松下幸之助さんが、「あんたな、わしの言う通りにやるんやったら、君は要らんで」と言ったのです。

 反対のこと、つまり「自分の言う通りにやらないなら必要ない」というのなら分かります。ですが、「わしの言う通りにやったら君は要らんで」と言われて、どういう意味だろうと思い、その時は頭が真っ白になりました。


●松下幸之助は、禅問答を通じて経営を考えさせる


 松下幸之助という人は、時折、禅問答のようなことを突然言うことがありました。例えば、「風が吹いても悟る...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
老子の神髄(4)生成化育と突破力
生成化育――「自ずと然り」のメッセージと「突破する力」の歓喜
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(1)精神分析の概念とその起源
なぜ心の病にかかるのか?ラカンの精神分析とその起源
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
「集権と分権」から考える日本の核心(4)荘園発生から武家の時代、王政復古へ
武士が推進した“私”の増殖…中央集権はいかに崩れたか
片山杜秀