生き続ける松下幸之助の経営観
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人間大事の考え方が松下幸之助の経営の根底にある
生き続ける松下幸之助の経営観(12)人間大事という考え方
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
株式会社江口オフィス代表取締役社長の江口克彦氏は、人間大事という考え方こそが松下幸之助の根底にあると語る。松下幸之助の経営は、お金を追いかけるのではなく、人を追いかける経営であった。(2018年5月31日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「生き続ける松下幸之助の経営観」より、全12話中第12話)
時間:8分25秒
収録日:2018年5月31日
追加日:2018年11月14日
≪全文≫

●松下電器が成功した9つの理由は4つに集約できる


 松下幸之助さんがどういう経営をしてきたかということについて、最後に申し上げたいことがあります。それは、松下電器が成功した理由を9つ挙げましたが、これを集約したダイジェスト版としての4項目です。1つ目は、社員に誇りを与えたということです。そして2つ目は、社員に励ましを与えたということで、3つ目は社員に感謝をしたということ。4つ目は、社員に感動を与えたということです。

 松下幸之助さんが理想を掲げたことは、社員に誇りを与え、そして励ましを与えました。何よりも人材に恵まれたという考え方は、言ってみれば社員に感謝をしているわけです。そして全員経営は、結局は社員に感動を与えたことになります。


●社員を褒めるだけでなく、必要なときには叱ることも必要


 この感動というものは、口先だけの感動では駄目です。近頃では、社員を褒めろということが大合唱されています。しかし、褒めてばかりいて社員を堕落させてしまっている責任は大きいと、私は思っています。褒めるべきときには褒めないといけないですが、叱るべきときには叱らなければならない。病気でもそうです。薬で病気を治す努力はしなければなりません。しかし、薬で治せないときには外科手術も必要になるわけです。

 ですから、褒めることが薬を与えることだとすると、叱ることは外科手術に当たります。いよいよだというときには、外科手術をする度胸がないといけない。ところが、もう外科手術をしないといけないときに、「褒めろ、褒めろ」「薬だ、薬だ」となってしまうと、結局はその人材を殺してしまうことになります。


●松下幸之助は社員を叱るときにでも感動を与えられた


 ところが松下幸之助という人は、社員を叱ったとしても、その社員に感動を与えることができたのです。それはなぜかと言えば、最初に戻りますが、人間とは何かという考え方が松下幸之助さんにはあるからです。偉大な存在である人間というのは、一人一人がダイヤモンドを持っている。ダイヤモンドを持っている一人一人の社員に対して、心から礼を尽くして叱らなければいけない、接しなければいけない。そう松下幸之助さんは考えているわけです。

 これは、シリーズ内でもお話ししましたが、私が「何人で会社をやっているのか」と聞かれた時のことです。私が「250人です」と答えたら、「100...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
イーロン・マスクの成功哲学(1)マスクが「世界一」になるまで
イーロン・マスクは何がすごい?生い立ちと経歴
桑原晃弥
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司