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生き続ける松下幸之助の経営観
多くの知恵を集めることは絶対的な自信につながる
生き続ける松下幸之助の経営観(9)松下電器成功の理由1
経営ビジネス
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
株式会社江口オフィス代表取締役社長の江口克彦氏が、松下電器が成功した9つの理由のうち、1つ目と2つ目の理由を解説する。その2つの理由は松下幸之助が自身を「凡人」と考えていたことに根ざしている。(2018年5月31日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「生き続ける松下幸之助の経営観」より、全12話中第9話)
時間:11分09秒
収録日:2018年5月31日
追加日:2018年11月14日
収録日:2018年5月31日
追加日:2018年11月14日
カテゴリー:
≪全文≫
●成功した理由1:自分を凡人だと思い衆知経営を行ったこと
ここからは、松下電器がなぜ成功したのか、その理由を9つお話します。ここにいる皆さんの方が、私よりも経営に関する話に長けていると思うのですが、ここで成功した理由が9つあると言えるのはなぜか。
それは、松下幸之助さん自身が、「松下電器はなぜ成功したのか」というテーマで講演をしたことがあって、そこでその理由を9つ挙げていたからです。この成功した理由は、その講演の1回か2回でしか言っていないわけですが、その時に松下幸之助さんがまず挙げたのが、自分が凡人だったから良かったということでした。これがまず第1の成功の理由です。
松下幸之助さんは、もし自分が大学を出ていたり、あるいは学問があったりしたら、成功しなかっただろうと言っています。それは言ってみれば、周囲の人たちから知恵をもらったから成功したということです。
松下幸之助という人は、4年生の半ばで小学校を中退しています。だから、学問や知識がないと思っている。そして、23歳で事業を始めたのですが、大阪の町工場に集まってくるのは、もう四流か五流の人材しか集まってこないという状況です。ところが、その人たちがやがてどんどんと成長していく。その様を見ると、自分は体も弱いし学問はない、そして帰る故郷もない、ということで自分は凡人だと思ったわけです。
そして、この自分自身を凡人だと思ったことが、いわゆる衆知経営という考え方につながりました。この衆知経営とはつまり、多くの人たちの知恵を集めて経営をするという考え方です。衆知経営は、それこそ知恵を集めるものなので、語呂合わせではないですが、集知という言葉を使ってもいいと思います。
松下幸之助という人は、経営者としてだんだんと成長していって、そして第一人者になった後も、結局、自分の考えに従って独断で物事を決めていくということはしませんでした。それはなぜかというと、初めの頃、多くの人たちの知恵を集めると、成功する確率が高かったということもあったと思います。ですがやはり、松下幸之助さんが自分なりに考えていくうちに、自分一人の考え方よりも多くの人たちの知恵を集めた方が、好ましい結論を出すことができると思ったのでしょう。
●多くの知恵を集めることは、絶対的な自信につながる
自分がAという考え方を持っていて、そして周りに...
●成功した理由1:自分を凡人だと思い衆知経営を行ったこと
ここからは、松下電器がなぜ成功したのか、その理由を9つお話します。ここにいる皆さんの方が、私よりも経営に関する話に長けていると思うのですが、ここで成功した理由が9つあると言えるのはなぜか。
それは、松下幸之助さん自身が、「松下電器はなぜ成功したのか」というテーマで講演をしたことがあって、そこでその理由を9つ挙げていたからです。この成功した理由は、その講演の1回か2回でしか言っていないわけですが、その時に松下幸之助さんがまず挙げたのが、自分が凡人だったから良かったということでした。これがまず第1の成功の理由です。
松下幸之助さんは、もし自分が大学を出ていたり、あるいは学問があったりしたら、成功しなかっただろうと言っています。それは言ってみれば、周囲の人たちから知恵をもらったから成功したということです。
松下幸之助という人は、4年生の半ばで小学校を中退しています。だから、学問や知識がないと思っている。そして、23歳で事業を始めたのですが、大阪の町工場に集まってくるのは、もう四流か五流の人材しか集まってこないという状況です。ところが、その人たちがやがてどんどんと成長していく。その様を見ると、自分は体も弱いし学問はない、そして帰る故郷もない、ということで自分は凡人だと思ったわけです。
そして、この自分自身を凡人だと思ったことが、いわゆる衆知経営という考え方につながりました。この衆知経営とはつまり、多くの人たちの知恵を集めて経営をするという考え方です。衆知経営は、それこそ知恵を集めるものなので、語呂合わせではないですが、集知という言葉を使ってもいいと思います。
松下幸之助という人は、経営者としてだんだんと成長していって、そして第一人者になった後も、結局、自分の考えに従って独断で物事を決めていくということはしませんでした。それはなぜかというと、初めの頃、多くの人たちの知恵を集めると、成功する確率が高かったということもあったと思います。ですがやはり、松下幸之助さんが自分なりに考えていくうちに、自分一人の考え方よりも多くの人たちの知恵を集めた方が、好ましい結論を出すことができると思ったのでしょう。
●多くの知恵を集めることは、絶対的な自信につながる
自分がAという考え方を持っていて、そして周りに...